楽園の地図128号 香川・瀬戸内の魅力

Tsurumaru, Takamatsu, Kagawa, Japan
もくじ
はじめに
今週の楽園 瀬戸内・香川の魅力(香川県/日本)
今週のオアシス umie(高松市/日本)
今週楽園で聴きたい音楽 ベイビー・ブルー/サニーデイ・サービス(香川県/日本)
今週楽園に行けなかった人のために 八月の蝉(小豆島/香川県/日本)
おわりに
はじめに
現在、上海に向かう飛行機のなかでこの号を記しています。
先週までのテンションはいずこへ、移動するとなると、移動する行為そのものがストレス発散になるらしく、私はいまとても機嫌がいいです。私の先祖は旅芸人のようなものだったのかもしれません。日常のなかに移動する行為があると、それがとてもいいみたいです。幸いにして1ヶ月以内だったら7kg以下で生活できるので、バックパックを背負えば私は移動することそのものはストレスはありません。
今回の旅程は、上海、成都、重慶、ウルムチ、北京を予定しています。上海と北京は以前も滞在したので、まあ軽めに済ませて、中国の内陸の探検に行ってきます。ウルムチは情勢によっては行かないかも、行くかも。時間に余裕があれば西安も行きたいな。トータルでは3週間程度を予定していますが、観光ビザで30日は滞在できるようなので、多少前後するかもしれません。
例によって、飛行機は行きの上海行きチケットのみ、宿は最初の4日しか押さえてないので、途中の行程はまったく決めてません。決めた途端に何かの可能性が失われる気がして、僕の未来は未定という状態を残しておきたいと思います。最近は帰国便を取らなくても入国審査で止められる機会もないし、もし止められて別室でも行くことになれば、その時にスマホで予約してしまえばいいだけですし。
そんな行き当たりばったりで危なくないの? という点については、僕はわりと渡航先の治安は入念にチェックしているほうです。僕の基準は、日本の外務省の危険情報と、米国のTravel Advisorsの基準を参考に、平均値をとって行動しています。
外務省は海外旅行によく行く人であればご存知だと思いますが、これは多分に政治的なもので、危険度を正しく見積もっているかというというとそうでもありません。例えば中国(大陸)は日本基準ですとウイグルとチベット(レベル1)を除きレベル0で、はっきりいえば0も1も安全ですが、米国基準では「レベル2」Exercise increased caution(慎重に行動してください)と、やや警戒レベルが上がります。私としては、1.5ぐらいと考えているし実際にいま上海の街中を歩いていますが東京よりも治安がいいと感じますが、一方でインターネット接続はさまざまなエラーが続き、見れるサイト、見れないサイトが混濁していて、スマホで閲覧できてるのにPCで見れないとか、そういうエラーが山ほど起こっていて混乱中です。
ということで、次号からは中国大陸の模様をお届けすることになりますが、今号は日本から、私が愛する香川県の情報をお届けします!
今週の楽園 瀬戸内・香川の魅力(香川県/日本)

Akakabocha, Naoshima, Kagawa, Japan
私が2年半居住した沖縄、そして前号で紹介して、夏場はちょくちょくお出かけしていた湘南、に加えて私的三大ビーチエリア(勝手に決めた)の一つ、瀬戸内、のなかでも特に香川県の魅力を紹介しましょう。実は私は日本の地方都市はそこまで大好きな場所って多くないんですが、香川はそんな私がとても大好きな場所です。
豊かな大自然と、アートの魅力、そして高松の「ちょうどいい感」
香川の魅力を大きく3つ挙げると、
1.直島をはじめとする「アート県」としての魅力
2.晴れの日が多いとされる瀬戸内の大自然の魅力と、大自然で育つ食事の魅力
3.県都高松のちょうどいい感
順を追って見ていきましょう。
1.直島をはじめとする「アート県」としての魅力
香川といえばベネッセが仕掛けた直島に代表される、アートの魅力です。直島はベネッセハウスミュージアムや地中美術館など、小さな島に世界的な美術館が密集するアートアイランドとして有名ですが、実は横の豊島にも豊島美術館、県庁のある高松には高松市美術館や香川県立ミュージアム、びっくりするのは、隣の丸亀市にもMIMOCAという現代美術館があるなど、明らかに人口規模(90万人程度)に対して美術館が多いことが挙げられます。
ベネッセが過疎で悩んでいた直島をアートアイランドとして復興を目指したのは有名な話ですが、実は香川県に美術館が多いのは、1950〜70年代に当時の県知事、金子正則知事がアートと建築による戦後復興を目指したからと言われています。当時から積み重ねられてきた文化資産がアート県たる所以だそうです。

冒頭の「赤いかぼちゃ」もそうですが、とにかく香川県は県中、島中にアート作品があって、いつ行ってもさまざまな作品に触れることはできますが、3年に一度行われる瀬戸内ビエンナーレに合わせて行くと、移動の船やバスの本数も多いですし、国際的な観光客も多く楽しめると思います。
上の写真は「I❤湯」と名付けられた銭湯。もともと直島にあった銭湯を、アーティストの大竹伸朗が大胆に破廉恥にデザインしなおした不思議な場所で、中を見ればわかりますが、これは作品でもあるし、ちゃんと銭湯としても営業しているし、とぜひ行ってほしい場所。
2.晴れの日が多いとされる瀬戸内の大自然の魅力と、大自然で育つ食事の魅力
日本ではお隣の岡山県が、「晴れの県」(天気が晴れの日が日本一多いらしい)として有名ですが、香川県は岡山県から瀬戸内海を挟んで対岸、ということで、香川も晴天の多い県です。県都・高松に宿をとって、小豆島・直島などの瀬戸内海の島々の自然を散策しましょう。特に泊まる必要はなく、県都・高松に宿を抑えて、朝一の船で小豆島や直島に出かければ、1日遊べます。
自然を体感するなら特におすすめは小豆島。小豆島は、香川県内では最大の島で、そうめん、オリーブ、醤油などが名産。人口は2.5万人(石垣島や宮古島の半分)。フェリーは西端の土庄港に着くので、そこからバスに乗り継いで目的地に向かいます。
この小豆島、自然という観点でいえば見どころいっぱいです。まずはビーチにいきましょう。ビーチというか、「道」なんですけどね。

干潮時だけ現れるビーチ、「エンジェルロード」
エンジェルロードは、干潮時(潮が引いた時)だけ現れる海の上の道。そこを突き進むと、離れの島に向かうことができます。離れの島には頂上に簡易的な無人の神社のようなものがあって、そこにのぼると見晴らしがいい上に、このロードを渡った二人は結ばれる、なんて伝説もあるそうですよ。僕が行った時も恋人たちが手をつないでエンジェルロードを歩いていました。

頂上からの風景。
対岸の頂上からの風景はタイのナンユアン島によく似ています。ナンユアン島のような綺麗な白砂じゃないですが、ま、これはこれで日本のビーチって感じで悪くないですね。
で、香川県の自然でぜひ体感してほしいのが、中山千枚田という、段々畑です。

この段々畑、この号の後半で紹介する映画「八日目の蝉」で登場して、八日目の蝉は小豆島のさまざまな場所がロケ地として登場する映画なのですが、なかでも劇中の段々畑の映像は美しく、美しすぎたので現場を見たくなって僕も段々畑にやってきました。日本の農村って感じで、うろうろ散歩するだけで心が現れます。バリ島にいるみたい。
さて、早朝の船に乗ってビーチを歩いて段々畑に行ったら、そろそろお腹も空いてくることでしょう。小豆島はもともと3つの市町村に分かれていて(現在は合併して2つに)、それぞれの名産がそうめん、オリーブ、醤油なんです。ちなみに、小豆島産のそうめんにはオリーブが塗りこんでいるらしく(そうすると麺がほぐれて麺同士がひっつかなくなり美味しくなるらしい)、だから小豆島のそうめんを食べると、醤油、オリーブ、そうめんと島の名産をぜんぶ食べたことになるのだとか。旅した時に地元の人に教えてもらいました。そうめんはどこで食べても美味しいので特にどこでもいいと思います。私はフェリー乗り場の近くの、名もない食堂で食べました。

小豆島の名物、そうめん。冷たくて美味しかったな。
小豆島の中心地である「土庄」は、ふるくから発展した場所らしく、一方で離島であることから現代はそれほど建物需要がないこともあり、古い建物がかなり残っています。そんな建物を眺めつつバスに乗って、最後はオリーブ公園にでも行きましょう。

オリーブ公園はいわゆる道の駅なのですが、ここが観光地になっていて、実際のオリーブの木を見物できる他、地元産のオリーブを使ったパスタなどの食事や、これまた地元産のハーブを使ったハーブティなどが飲めるカフェもあって、一息つくにはもってこいの場所です。
ところでオリーブといえば地中海のイメージだと思いますが、実は香川県の瀬戸内海沿いって、地中海と同じ気候なんだそうです。そこに気づいた香川県民がオリーブを育て出したところ大成功。今では香川県産オリーブは評価が高く、海外に高値で輸出しているようですよ。
そんな瀬戸内海産オリーブで育った「オリーブハマチ」は、ハマチ好きにもオリーブ好きにもぜひ試してほしい一品。濃厚かつさっぱり(ホコタテみたいに相反する言葉だけど、ほんとにこの表現がぴったり)

私は小豆島に日帰りでトリップしたのですが、ほんと、どこか遠い国に遊びに行ったような気持ちになりました。
3.県都高松のちょうどいい感
さて、直島に象徴されるアート、小豆島に象徴される自然を堪能したあとは、県都・高松の魅力も紹介しましょう。人口40万人、県庁の中では大きく、でも政令指定都市になるほどではない高松。同様の都市に金沢や那覇なんかがありますが、なんというか街のサイズがちょうどいいんですよね。適度に都会でなんでもあるけど、でも徒歩でも市街地を全部歩ける感じというか。
そんな高松市の魅力は、まずはフード。香川県といえばやはりうどんでしょう。高松のうどんの名店といえばなぜか郊外にあって、タクシーで2000円払っていっぱい200円ぐらいのうどんを食べるという謎の行動もしてみましたが、まあぶっちゃけ地元民に言わすと違うかもしれませんが、まあどこで食べてもまあまあ美味いですよ。鶴丸なんてどうでしょう?

鶴丸のカレーうどん
鶴丸は、今号のもくじページのさらに上、冒頭の澄んだスープのうどんもそうですが、写真のカレーうどんが美味しいんですよ。嘘だと思うなら行って食べてみてよ。
でもね、うどんは小麦だし、小麦は食べすぎるとまああんまり良くはないって話で、うどん=小麦をずるずると噛まずに喉に駆け込む香川県民は、糖尿病患者が多いのだとか(エビデンス)。
そこで、香川に行ったらうどんもそこそこに食べてほしいのが、骨付鳥です。骨付鳥はようはチキンの半身焼きなのですが、これが独特のスパイスが効いて美味しいんですよ。正直にいえば香川県はうどん(炭水化物)を食べて不健康になるより、オリーブ(脂質と食物繊維)と骨付鳥(タンパク質)を食べて健康になりましょう。

骨付鳥は市内のさまざまな場所で提供していますが、有名なのは一鶴でしょう。一鶴を含む2店舗で食べてみましたが、私は王道の一鶴が美味しいと思いました。なお、関東近郊では横浜にも出店中です。もしどうしても香川には行けないけど横浜だったら行けるよ、という方はお試しあれ。
今週のオアシス umie(高松市/日本)
そんな高松でオアシスといえば、umieというカフェです。

さて、高松市には北浜アリーという、海沿いにある、もともと大きな倉庫街だった場所をリノベして古い建物の具合を残しつつおしゃれスポットにした、「小さなお台場」、「小さな下北沢」なのですが、そのなかでももっとも古くから営業していて人気があるのが、カフェumieです。アンティーク家具でまとまった店内はおしゃれで、まあぶっちゃけ都内で考えるとよくありそうなカフェではあるんですが、高松においては貴重なおしゃれカフェ。ゆえに、このカフェにずっといると、高松中の面白い人に会うことができます。

もともと倉庫街のリノベなので、天井が倉庫になってる。天井が広いので開放感あります。
高松市のおしゃれスポットといえば、昼はumie、夜は半空(後述)ではないでしょうか? どう、高松、いきたくなってきたでしょ? なんなら住みたくなってきた?
今週楽園で聴きたい音楽 ベイビー・ブルー/サニーデイ・サービス(香川県/日本)
(ごめん、中国国内滞在中につき、YouTubeのリンクがちゃんと貼れてるのか確認できない。もしうまくリンク貼れてなければ、YouTubeで「サニーデイ・サービス baby blue」で検索して)
ということで、香川県出身で私の愛するアーティストはいないか、飛行機の中のオフライン環境で脳内で検索していましたが、検索範囲を脳内で四国まで広げてもあんまり四国出身の有名人って少ないなと思っていました。お笑いの世界だと愛媛がM-1チャンピオン「たくろう」のきむらバンド、高知が広末涼子と脳内検索で真っ先に引っかかりました。もしこのまま思い付かなければ今日の音楽は広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」になるところでした(それでもいいけど、なんか楽園とは違うかも笑)が、一度機内でうとうとしていたらピンときました。サニーデイ・サービスのヴォーカル、曽我部恵一さんが香川県出身です。そういえば高松市のオシャレカフェ・バー「半空」というところに行った際に、曽我部さんが帰省時によく半空にあそびに来るって言ってたのを思い出しました。こういう、旅で得た情報って、ネットでみた情報と違って長期記憶に残りますよね。
サニーデイ・サービス、あるいは曽我部恵一さんの曲で、最も「楽園」イメージにしっくり来るのは、この曲、baby blueです。この曲は歌が苦手な私が、どうしても歌わなきゃいけないときに歌う曲の一つです。歌いやすいからなんですが、知名度がないのでぜんぜん盛り上がりません。カラオケで盛り上げられなくてごめんね。でもまあ、そんなことは忘れて聴いてみてくださいよ、そこはかとなくいい曲だから。私は男性歌手を聴くときに「いい声」と言われてもあまりピンとこないのですが、曽我部さんに関しては紛れもなくいい声ですよね。こんな歌声に生まれたかった-1グランプリ優勝です。
サニーデイ・サービスは、日本を代表する「売れてるんだか売れてないんだかわからない長寿バンド」(このカテゴリにはほかに「くるり」が該当します)で、今からおよそ30年前の90年代に結成されたグループなのに、いまだにソロもバンドもがんがん新譜を発表し続けていて、もっと売れていれば桑田佳祐のようになっていたかもしれない(サザンも去年ニューアルバムを出してましたね)と思っています。曽我部さんは、東京では下北沢を拠点としていて、下北沢でCity Country Cityというカレー屋さんを営んでおりました。かつて私は10年ほど下北沢で働いていたので、あのカレー屋もよく通ったな。曽我部さんはソロだと「天使」という曲があるんですが、これが泣ける曲なんだ。本人いわく、この歌詞は本当に天使がアイディアを授けたみたいにわずか5分で書けたらしい。でもそんな気がちょっとするんだ。良かったらこっちも聴いてね。
今週楽園に行けなかった人のために 八月の蝉(小豆島/香川県/日本)
(再び、YouTubeがBANされてる中国国内滞在中につき、YouTubeのリンクがちゃんと貼れてるのか確認できない。もしうまくリンク貼れてなければ、YouTubeで「八日目の蝉 予告」で検索して)
さて、八日目の蝉は、角田光代の小説の映画化なのですが、この映画、2011年公開ですでに15年前の映画なのですが、いまだに自分的邦画TOP10に入る映画です。
浮気相手のことを愛した女が、成就しない思いが行き過ぎるあまり本当の母親から子供を誘拐するという、かなりアウトな展開(なんか、このデカダンな展開は60年代のフランス映画って感じね)ではあるんですが、、これがなぜか泣けるんですよ。誘拐犯を演じるのは永作博美。最初はビビっていた子供も彼女に心を許して、次第には本当の親子のような関係になるのですが、まあそんなうまくはいきません。
最終的に警察がやってきて疑似親子は離れ離れになるんですが、この展開が泣けるんですよー。
今日紹介した小豆島の素敵な場所もたくさん登場するのでぜひ見てねん。
おわりに
船長「うーん、ありゃー、モバイルならYouTube観れるのに、なぜPCだと見れないんだ」
助手「VPNを使ったら見れるよ!」
船長「いやでも、VPN使ったらtheLetterが更新できへんのや」
助手「困りましたねえ。ところで今日取り上げた写真はどうやって貼り付けたの?」
船長「えっと、iPhoneはVPNオンにして、Google Photoで写真を見つけて、それをエアドロップでPCに送ってアップロードしたよ」
助手「めっちゃたいへんー、他に方法ないのかよ、Chat GPTに聞いてみようよ
船長「あ、チャッピーも見れまへんねん。ついでにWikiにリンク貼ろうと思ったら、それも見えまへん」
助手「えー、そうなんだー。僕なら更新休んじゃうかも」
船長「なんか、こういう更新が困るような状況になったら、意地でも更新したくなるんだよね」
助手「変な性格ですね」
船長「こういう性格だから、私は毎号更新し続け、船長にまで上り詰めたのです。えっへん」
助手「はーあ。船長が威張り出したらこのコーナーハズレ回だってもっぱら読者からの評判ですよ」
船長「ファイアウォールでブロックされてるから聞こえん!」
助手「やれやれ、先が思いやられるな、中国旅行も船長も」
船長「えへん。民の声をブロックし続ければ、我は永遠に勝者なり〜」
助手「次号までには最適な更新方法考えときまーす」
(つづく)
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