楽園の地図107号 中央アジア、北アジア、南アジアってどこ?

トラックアート/アーユルヴェーダ/21世紀のノマドと遊牧民/モンゴル映画
船長と助手 2025.10.10
誰でも
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もくじ

はじめに(お金で幸せを買ってはいけない)
今週の楽園 インド以外の南アジア、
中央アジア、北アジア(モンゴル、ロシア)
楽園エリア1 パキスタン
 ・パキスタンと日本の意外な共通点? 謎の文化「トラックアート」について
 ・パキスタンの最新音楽シーンは、踊れて愛があって最高という話

楽園エリア2 その他の南アジア(バングラディシュ、スリランカ、ブータン、モルディブ)
 ・
日本と韓国が移民の待遇をめぐって争ってる??(ネパール)
 ・アーユルヴェーダの世界(スリランカ)

楽園エリア3 中央アジア
 ・
カザフスタンに花咲く新たな音楽シーン「Q-pop」とは?(カザフスタン)
 ・遊牧民が多かった地域で、21世紀型遊牧(ノマド)を楽しもう(中央アジア全域)

楽園エリア4 モンゴル、ロシアのアジア地域
 ・ウクライナ戦争で、アジアが大量に死ぬ理不尽と、サインコの美しい歌声(トゥバ共和国)
 ・なぜか色気があってそこはかとなく面白い、モンゴル映画の尺イン作(モンゴル)

はじめに

お金で幸せを買ってはいけない

私がこうやって日常的に旅ができて、見知らぬ国の映画や音楽に触れて自由に暮らせているのも、特に健康に問題があるわけではなく、お金に不自由しない生活を送っているからです。私は、昔からこのように生きていたわけではありません。若い頃はたいへんお金に苦労しました。実家の居心地が悪く、若いうちに1人暮らしを始めましたが、まともな仕送りを送ってもらえず、学業とバイトという資金繰りの両立に苦労しました。結局、私は一人暮らしを維持するために学業を手放すことを決めました(その後通信制の高校を修学し高校卒業資格を取得)。フリーターになってからは、外見的なコンプレックスをカバーするために収入に見合わないレベルの服を買い、いつも貧乏でした。お金に困ったのは20代前半だけではありません。26歳の時に逆境を打ち返すため、起業するという計画を思いつきました。創業当時から仕事に恵まれましたが、なぜか働けば働くほど会社の口座の資金は減って、関係者にお金を配分し、事務所の家賃を払ったら自分の給料はありませんでした。そんな状態が2、3年続きました。私はそこで、お金には「ストック」と「フロー」という概念があるおということを身を持って学びました。私の会社はフローは問題なかったのですが、ストックが足りなかったのです。私は好きな仕事で起業できて幸福でしたが、お金の問題で廃業するかもしれない状況だったのです。

さて、そんな生活を経て、たどりついた真理が一つあります。「お金は、不都合を解消するために、自分の前に立ちはだかる障壁をなくすためにある」ということです。多くの人はここを誤解していて、お金とは自分が贅沢をしたり、満足したりするためにある、あるいは稼ぐことそのものが満足感につながると誤解しています。私が外見のコンプレックスのために服を買いまくってお金がなかった時代なんかが典型ですが、自分の欲求を満たすためにお金を使う行為は、はっきり言えば悪手です。なぜなら欲求にはゴールがないからです。欲求にゴールがない以上、欲求を満たすためにお金を費やしてしまえば、どんなにあなたが努力して稼いでも、いつか資金が尽きるに決まっているからです。

ではどんなときにお金を注ぎ込むべきなのか。それは、不都合を解消するためです。例えばあなたが幸福な日常生活を送っている際に、大きな病気になったとしましょう。治療にはお金が必要です。あるいは、あなたが会社を作ったものの雇った従業員との間にトラブルがあって、調停を抱えている、裁判を抱えている。こういうのは、わかりやすく、「不都合」と言えるでしょう。不都合を取り除くのに、お金ほど心強いものはありません。イメージとして、「障壁を取り除く」「マイナスをゼロに戻す」が、お金が最も威力を発揮する領域です。他には、あなたにはやりたいことがあるけど、そのためには資格が必要で、資格のために学校に通わなくてはならない。この場合、「資格の取得」が「障壁」となります。こういう時は、お金を使うべき時期です。自分の道を開くのに使い惜しんではいけません。あるいはやりたいことがあるけど、子育てや家事で時間がなくて、できない。そこで家事代行サービスを雇う。これは典型的な障壁を取り除く行為です。こういうものに使うお金は、必要以上に過剰に注ぎ込むことはありません。家事代行に依頼しすぎて、破産した人間を私は知りません。酒やギャンブルで破産した人は星の数ほど多いです。そこに大きな違いがあります。

先ほど服を買うことを悪い例に出しましたが、すべてがそうではありません。例えば、あなたが友達に誘われてパーティに行きたいけど、パーティに着ていく適した服がないとしましょう。この場合、パーティに着ていく服がない状態が障壁であり、服を買うことで障壁を取り除くことができます。この場合のポイントは、楽しみのピークはあくまで「パーティに参加すること」であり、「パーティ服を買うこと」はその前段階であるというのがポイントです。楽しみのピークは、参加費以上の無駄なお金が介在していないことに注目してみてください。

幸福はお金で買うものではなく、自らの力で手にいれるものです。それをお金で買おうとしてはいけません。もっと正確に言えば、幸福の下準備をするのがお金の役割です。ギャンブル、キャバクラ、必要以上の飲酒、高額な占い。そういうものは、典型的な幸福のドーピングです。お金で一瞬の幸福感を得てしまった人は、再びお金を注ぎ込まないと幸福感を得られなません。しかし、お金で買える幸福は、何度もお金を使うほど残減して減ってしまいます。こうして人はダークサイドに落ちてしまうわけです。大事な読者の皆さん、どうか、そっちに行かないで。対処法として、少しでいいから、お金で買えない幸福を実感してみてください。自分の身の回りを探せばそこにあるはずです。例えば、お金をかけずに書きたいことを楽園の地図で書いて、たまに感想を聞かせてもらえるという幸福に浸っている私のように。

さて今週の楽園の地図は、ここまでの特集で逃していた、一つには括りづらい地域を合わせて紹介します。まずは地図を見てもらいましょう。

今週の楽園 中央アジア、インド以外の南アジア、北アジア、

北はロシアから、南はインド洋のスリランカまで。

北はロシアから、南はインド洋のスリランカまで。

今週は、楽園の地図のここまでで紹介してこなかったアジア地域(インド以外の南アジア、中央アジア、北アジア)をまとめて紹介します。今週はこのエリアを4つの地域に割って紹介します。

エリア1 パキスタン(地図上エメラルドブルー)
エリア2 バングラディシュ、スリランカ、その他インドとパキスタン以外の南アジア(地図上水色)
エリア3  中央アジア(地図上黄色)
エリア4  モンゴル、ロシアのアジア地域(ウラル山脈より東側)

すべて日本人にとってはあまり馴染みのない国だとは思いますが、だからこそ知ってほしい話題がたくさんあります。それではまずはパキスタンより最新ニュースをお届けします。

今週の楽園1 パキスタン

パキスタンと日本の意外な共通点? 謎の文化「トラックアート」について
パキスタンの最新音楽シーンは、踊れて愛があって最高という話

皆さんは、世界で人口が多い国TOP 5を挙げられますか? 1位インド、2位中国、3位アメリカまではすんなり出てくるでしょう。4位インドネシアも、アジアに詳しい人なら出てくる可能性があります。では、5位は? そう、パキスタンなのです。パキスタンは、ちょうど日本の2倍の人口(2億4000万人、2024年時点)のを抱え、インドネシアに次いで世界で二番目にイスラム教徒の多い国です。日本とあまり関わりがないように思えますが、現在、日本には3万人の在日パキスタン人が住んでいます。

しかし、例によって、私たちはパキスタンについて、ほとんど何も知りません。首都の名前はご存知でしょうか? 学生時代、地理が得意分野だったとしたら、かろうじて「イスラマバード」だと覚えているかもしれません。でも、この国がどこから独立して、どうやって国になったのかご存知ですか? 最近、インドと国境近くで小競り合いを起こしているのをご存知ですか? パキスタンは、世界で核兵器を保有していると公言している8つしかない国の一つだってご存知ですか? ちょっとお勉強しましょう。

そもそも、パキスタン、インド、バングラディシュはムガル帝国という大きな帝国の一部でした。大航海時代にイギリスがやってきてこの地を占領し、イギリス領インド帝国となります。その後ガンジーなどの活躍もありインド帝国は独立を果たします。が、インド帝国がイギリスから独立する過程で、帝国内のヒンドゥー教徒と、イスラム教徒が対立するようになります。最後まで統一国家を目指す勢力は存在したものの、国内の反乱分子や、インドを巨大化させない方がいいと踏んだ列強などの思惑によって、ヒンドゥ教のインドと、イスラム教のインドは別の国として分離独立することになりました。こうして、ヒンドゥ教の多い地域がインド、イスラム教の多い地域がパキスタン(東パキスタン=バングラディシュを含む)として独立しました。しかし、地図を見るとわかりますが、パキスタンとバングラディシュには大きな隔たりがあります。そこでバングラディシュがさらにパキスタンから独立する形で、ほぼ現在の国境線が出来上がりました。つまり、インドとパキスタンは本来同じ民族だったのが、宗教の違いによって国を分けたことになります。この時、インド、パキスタン双方で、国境線を巡って対立が起きました。これが現在にいたるまでインドとパキスタンが対立を続ける理由で、その争いの過程で、インドが核兵器を保有すると、すかさずパキスタンも核兵器の保有を宣言しました。その後2008年ごろには民主化をすすめ、現在パキスタンはイスラムの国家でありつつ、選挙で代表を選ぶインドと中国が仲が悪いことはご存知だと思いますが、敵の敵は友達だと思ったのか、パキスタンは中国と政治的にも経済的にも接近中です。

そんなパキスタンから話題を二つ。まずは、パキスタンのトラックアートについて。トラックアートとは文字通りトラックを装飾する表現活動です。トラックのドライバーが自分のトラックを思い思いのスタイルで飾ります。

描かれる装飾は、極彩色の幾何学模様、人物画、鳥や花などで、ドライバーの個性を表現しています。一説によると、このようなトラックの装飾は1960年代ごろから登場し、カイバル・パクトゥンワ州から、当時の首都でありパキスタン一の大都市であるカラチに出稼ぎに来ていたドライバーが、西洋のサイケデリックアートの影響を受けつつ自分たちのアイデンティティを表現したところから始まるとされています。なんと、そんな歴史があったとは、お隣のインドにもこのようなスタイルはありますが、パキスタンほどトラックアートが顕著に存在する地域はありません。

ところで私たち日本人としては、うっすらと昭和の時代のトラックに思いを馳せますよね。そう、日本にもデコトラ、トラック所有者が自分の思い思いにトラックを装飾する文化がありました。遠く離れた日本とパキスタンに、こんな文化的共通点があるとは驚きです。

トラックを飾る文化は遠く離れた地域に同時に存在した?

トラックを飾る文化は遠く離れた地域に同時に存在した?

続いての話題はパキスタンの音楽シーンの話題を。パキスタンは、お隣インドと同様、音楽が盛んな場所です。最新の音楽をいくつか紹介しましょう。

X Dekho/HBL(PSL Official Anthem 2025)

まずは、パキスタンで最も人気を集めるスポーツ、クリケットのリーグであるHBLの今年のテーマソング、X Dekhoをお聴きください。なかなかいいでしょ。これぞ、この地域に昔からあるダンスグルーヴと、現在のヒップホップ感覚が混じった、最先端のウルドゥ(語)ポップスだと思います。試合の興奮が伝わってくるようです。

もうちょっとこのインド=パキスタンの独自のダンスグルーヴを突き詰めてみましょう。

MELA LOOT LIYA/Ali Zafar

いやー、最高じゃないですか。Ali Zafarは、パキスタンを代表するシンガーソングライターにして俳優、パキスタンでの人気を不動のものにしたのち、ボリウッド(インド)にも進出し人気を集めるボーダレスな存在。それにしても、アーティストの魅力もさることながら、このどうやっても腰を動かしたくなってしまいそうな、攻撃的なグルーヴはなんでしょうか。世界では、踊るための音楽としてラテン音楽が好まれていますが、実はヒンディ系もラテンのようにダンスに特化した音楽として世界に進出する可能性があると思ってます。

Pindi Aye/Pindi Boyz

ピンディ・ボーイズとは、パキスタンのラワールピンディという北部の都市のHip Hop集団で、この曲は彼らが集って地元のストリート感覚でサイファーしたものです。何を言ってるかわからないけど、たくさんのアーティストがマイクリレーしているので、あなたのお気に入りのラッパーが見つかるかもしれません。

最後にもう一曲

Pal Pal /Afusic

先ほど紹介した通り、インドとパキスタンは元々は同じ民族だったので、言葉が近いのですが、この曲もヒンディ語によく似たウルドゥ語のポップスで、振られた彼女へのストリートな愛を歌っています。私がインドや南アジアに惹かれるのは、ストレートな愛の表現です。歌詞を調べていただくとわかりますが、ここにあるのはストレートな女性への思いです。

私が思うに、インドやパキスタンの音楽の特性として、曲調ではダンサブル、そして詞の面ではとてもストレートな愛が歌われているという点が挙げられます。つまり、愛とダンスの音楽なのです。生きる喜びに満ちたこの地域の音楽が、やがて世界を席巻する日も近いんじゃないかと思っています。そんなわけでパキスタンより楽園の地図がお届けしました。

今週の楽園2 バングラディシュ、スリランカ、その他の南アジア

日本と韓国が移民の待遇をめぐって争ってる??(ネパール)
アーユルヴェーダの世界(スリランカ)

ノモシュカール! 続いては同じく南アジアより、インドとパキスタン以外の国々、つまりバングラディシュやスリランカ、ネパールなどの地域を取り上げます! どちらかと言えば日本人にとって馴染みが薄いであろうアジアの国々ですが、ここにざっくりまとめたいと思います。

国名/人口/主要な宗教/首都or最大の都市/観光的な見どころや日本とのつながり

バングラディシュ/人口1億7000万人/イスラム教/ダッカ/繊維産業(洋服作り)の世界的拠点
スリランカ/人口2100万人/仏教/コロンボ/アーユルヴェーダが有名。セイロンティーも
ネパール/人口2900万人/ヒンドゥ教/カトマンズ/ヒマラヤ山脈の観光。日本への移住者多い
モルディブ/人口39万人/イスラム教/マレ/リゾートアイランドが多く、セレブたちが集う
ブータン/人口87万人/仏教/ティンプー/「幸せな国」を自称するも、幸せランキングは下降中

こんな感じで規模も宗教も異なる5つの国があります。今日はこの中から、スリランカとネパールの話題を一つずつお届けします。

現在、日本に駐留する(住む)ネパール人はどのぐらいいるかご存知ですか? なんとその数21万人(2024年6月現在)、気がつけば日本に住む外国人の国籍としては6番目に多く、急成長しているので、そのうち3位ぐらいまで上昇する可能性があると私は思ってます。では、彼らは日本でどんな仕事をしているのでしょうか? 実はスーパーマーケットで売られているお惣菜工場は、ネパール人女性が多く勤めています。また、日本でインドカレーのお店は多いですが、実は日本のインドカレー屋で働いている、インド人っぽい見た目の人はほとんどネパール人なのです。

日本で暮らしているネパール人の多くは、そうやって飲食店のバックヤードでせっせと働きつつ、稼ぎから生活費を引いた残りを、ネパールに送金しています。

そして、ネパールにとって、彼ら出稼ぎの人から送られる送金は、国の一大基幹産業といっても過言ではありません。ネパールでは、出稼ぎ移民の送金が、GDPの3分の1を占めていると言われています。

ところで、ネパール人が出稼ぎとして働きに出る先は、どこが多いかご存知ですか? 伝統的に、ネパール人にとって言語の習得が簡単なインドへの出稼ぎが多いのですが、インドもそれほど豊かな国ではないので、あまり稼げません。そこでネパール人に人気なのは、中東諸国(建設現場(男性)や家事労働(女性))、マレーシア(製造業や工場、農業地)、韓国(製造業や農業)、日本(介護、農業、飲食業など)などです。ちなみに、それぞれの国での平均月収は、インド=月3万円程度、中東=4.5万円程度、マレーシア=5.5万円程度、韓国=22万円程度、日本=20万円程度と見積もられています。つまり、ネパール人にとって最も稼げる出稼ぎ先は韓国か日本ということになるかと思います。これまでぶっちぎりで日本が高所得だったのですが、昨今の円安で韓国と日本の報酬差は縮まっています。つまり、こういうことです。

・優秀なネパール人は稼げる出稼ぎとして、日本か韓国を選ぶ。
・かつては日本が圧倒的に待遇が良かったが、円安により日韓の賃金差は非常に近く、逆転されるケースもある。
・ある意味でネパール人移民を日本と韓国が争っていることになる。

と言えると思います。これはネパールに限らず、アジアの様々な地域で、出稼ぎ先として日本と韓国が比較されるケースが増えています。日本は法整備も整っていて生活インフラがきちんとしている印象があるようですが、一方で韓国には、言語習得の壁が低い(日本移住者は語学学習が義務付けられるが、韓国は労働力と認められれば語学修練度は気にしない)、ブローカー(仲介者)を挟まなくても渡航が可能、というメリットがあります。こうやってみると、移民を受け入れるという面で、日韓には大きく考え方の違いがあるように思います。

日本政府は、どうやら移民を受け入れるにあたり、日本語を習得し、やがて日本で永住権を目指すようなネパール人を多く受け入れたいと思っているようですが、韓国政府はどちらかと言えば難しいことは考えず非正規雇用できる労働力を求めている印象。一見、日本の方が優しいとも言えますが、一方で韓国のほうが仲介業者との無駄なトラブルがなく、合理的と言えるかもしれません。今後も様々な面で日韓はライバルになると思います。今は日本には外国人労働者が増えて各地で問題になっていますが、そのうち外国人労働者を呼ぼうにも、日本が魅力的な国ではない日が来てしまうかもしれません。私個人的には、日本は外国人にとって魅力的な国であってほしいと思います。

続いてはスリランカよりアーユルヴェーダの話題。アーユルベーダとはインド発祥の代替医療で、1970年代以降に先進国のニューエイジ思想としてヨガなどとともに注目を集め、今や世界中に愛好者がいます。しかし、インド人が自国の素晴らしい文化であるアーユルヴェーダ文化を保存しようとせず、どちらかと言えば商業的になった一方、スリランカでは土着の薬草文化と合わさり独自に発展。スリランカには、アーユルヴェーダ省という政府管轄の組織もあり、観光業と結びつけて、最高の体験を観光客に提供し、観光資源としようとしています。

スリランカのアーユルヴェーダ施設で多いのは、宿泊も行える施設が多いことです。アーユルヴェーダと言えば食事療法もかねていることから、例えば2週間滞在する場合、体験者それぞれの体質や、悩みに合わせて、食事の内容を変えるなどの処置も行います。

アーユルヴェーダ施設での典型的な1日の流れ

06:00–07:00 朝の始まり

  • 軽いヨガや瞑想、呼吸法(プラーナーヤーマ)で身体と心を整える。

  • 朝のハーブティー(ジンジャーティーやトゥルシーティーなど)を飲む。

  • 体質(ドーシャ)に合ったオイルを使った軽いオイル塗布を行うことも。

07:30–08:30 アーユルヴェーダ朝食

  • 消化に良いスープ、米粥(コングジー)、蒸し野菜、ハーブを使った軽食。

  • コーヒーや紅茶ではなく、薬草茶が中心。

09:00–12:00 個別治療セッション

  • アーユルヴェーダ医師の診察に基づき、施術が割り当てられる。 アビヤンガ(オイルマッサージ) シロダーラ(額に温かいオイルを垂らす) スウェダナ(ハーバルスチームバス) パンチャカルマ療法(浄化療法の一部、必要に応じて)

  • アビヤンガ(オイルマッサージ)

  • シロダーラ(額に温かいオイルを垂らす)

  • スウェダナ(ハーバルスチームバス)

  • パンチャカルマ療法(浄化療法の一部、必要に応じて)

  • 1〜2種類の施術を1日に受けるのが基本。

12:30–13:30 アーユルヴェーダ昼食

  • 新鮮な野菜カレー、豆の煮込み(ダール)、赤米、薬草サラダ。

  • スパイスは刺激を抑え、消化促進・解毒効果を重視。

14:00–15:30 休養・リラクゼーション

  • 施術後は体が疲れるため、昼寝や静養が推奨される。

  • 読書やガーデン散歩など、静かな時間を過ごす。

16:00–17:00 軽いセラピー/ワークショップ

  • 短いマッサージ、ハーブバス、瞑想セッション。

  • ハーブ薬の調合体験や料理教室を行う施設もある。

17:30–18:30 ヨガ・瞑想

  • 夕方のヨガクラスで一日の疲れを整える。

  • 海辺や庭でサンセット瞑想を行う施設も多い。

19:00–20:00 アーユルヴェーダ夕食

  • 軽めの食事(スープ、蒸し野菜、ハーブティー)。

  • 夜は消化を考え、重いものは避ける。

21:00 就寝準備

  • ハーブティー(カモミールやバラフラワーティーなど)。

  • 早寝を勧められる(22時前後)。

  • テレビやスマホは控え、自然のリズムに沿った休養。

これをよく整えられたリゾート地のような滞在施設で繰り返すことで、病気や体調不良を改善するだけでなく、体質の改善や、精神的な健康を取り戻す、もっと言えば新しい自分に出会う、みたいな体験をするのがアーユルヴェーダの醍醐味です。日本では残念ながらシロダーラ(油を額に垂らす施術)など特定のメニューのみが実践されていますが、肝はそれぞれの体調や悩みに合わせてメニューを設定するという点にあって、そのため医師がいる施設で行う必要があるのです。どうです? ちょっと興味が湧いてきましたか? こんなふうに知ったかぶりで書いていますが、私個人はまだ本格的なアーユルヴェーダを体験したことがありません。ただ、この本を読んで、いつか行ってみたい気満々です。

以上、ネパールとスリランカより楽園の地図がお届けしました!

今週の楽園3 中央アジア

カザフスタンに花咲く新たな音楽シーン「Q-pop」とは?
遊牧民が多かった地域で、21世紀型遊牧(ノマド)を楽しもう

続いては、中央アジアと呼ばれる国の話題をお届けします。一般的に、中央アジアと言えば、以下の5カ国を指すことが多いです。

国名、人口、宗教、最大の都市、その他

カザフスタン/1800万人/イスラム教/アルマトイ/広い国土に豊富な天然ガスがあって豊か
キルギス/720万人/イスラム教/ビシュケク/世界屈指の金鉱山を抱えるが国民はまだ貧しい
タジキスタン/1040万人/イスラム教/ドゥシャンベ/ロシアへの出稼ぎ労働と麻薬の密輸。。
トルクメニスタン/700万人/イスラム教/アシガバート/天然ガスで儲けるも独裁制で閉鎖的
ウズベキスタン/3560万人/イスラム教/タシュケント/青の街サマルカンドなど観光地人気。

以上、ざっと5カ国を振り返りましたが、一方ですべての国の国民を足しても日本の総人口に及びませんので、かなりスカスカな国家と言えるでしょう。定住地を持たない遊牧民も多く暮らしています。

そんな中央アジアは、近年バックパッカーの間で、渡航先としてじわじわ人気を高めています。理由として、物価が東南アジア並みに安いこと、シルクロードの都市など観光地として見どころが多いところ、そしてバックパッカー特有の「あんまり誰も旅したことのない場所を旅したい」という要望にも合致しています。

今回は、そんな中央アジアから二つの話題をお届けします。

カザフスタンの音楽シーンでは、最近、Q-popと呼ばれる音楽シーンが盛り上がってます。2015年にデビューしたNINTY ONEが自らの曲をQ-popと定義したことからできた新しいジャンル。まだこのジャンルが生まれて10年と短いですが、ちゃんとWikipediaの項目もできています。

Q-pop (Wikipedia)

Wikiの説明なども参考にしますと、つまり、ヒップホップやEDMなど、新しい音楽要素と、中央アジアに伝わる伝統的な民族音楽Toi popの影響を受けつつ、より直接的には韓国のK-POPの影響を受けた音楽です。うーん、ここでも韓国系の文化的勢いがここまで到達しているとは。ちなみに、なぜQなのかというと、「カザフスタン」という国をラテン文字で記すと、Qazaqとなり、その頭文字をとったそうです。百聞は一見にしかず、ということで実際のQ-POPを聴いてみましょう。まずは、Q-POPという言葉を作ったと言われるグループ、NINETY ONEから。

MEN EMES/NINETY ONE

確かに言われてみると、K-POPに馴染みのある私たちの耳には、これはK-POPの亜流に聞こえます。だけど、Q-POPに全く独自性がないとは思いません。特に息が抜ける音のような発音方法が入るカザフ語の独特の言語を駆使したラップも面白いです。このグループはボーイグループなので特にK-POPぽさが滲み出ておりますが、では女性グループはどんな感じ? Q-POPの女性グループの走り、Crystalzを聴いてみましょう。

DID/Crystalz

カザフ人は肌が白く、韓国人に似ています。確かによく知らなければ、韓国からまた新しいグループが出てきたのかなと思います。

男女どちらのグループをみても、韓国グループのイメージに近いです。ただみなさん、考えてみてください。カザフスタンはイスラム教の国で、イスラム教との女性は肌の露出に対し制限があります。つまり、彼女たちがたとえ韓国グループのモノマネであろうと、同じことをやるにはかなり困難なことも多いと考えると、別の感情が湧いてくるのではいないでしょうか。なぜ彼女たちはそうやって肌を露出させて踊るのでしょうか。ここにこの新しいジャンルがただのモノマネでは終わらない可能性を秘めています。最近ではK-POPの型にハマらないスタイルも、特にソロシンガーの中では出てきました。Yenlikもその1人。KFC(ケンタッキー)をテーマにした一曲です。

KFC/Yenlik

中央アジアの民族衣装を着て、K-POPとR&Bを混ぜたような不思議な楽曲で踊るYenlik。途中に挿入される唐突なアニメーションも悪くありません。Jah Khalibなんかも素晴らしいですよ。

Лейла(Leila)/Jah Khalib Feat. Makvin

この曲なんかは、K-POPというよりも、もっと大陸的な広がりのある曲に聴こえます。

カザフスタンに現れた新しい音楽の潮流がどのような方向に向かうのか、今後も注目です。

さてお次の話題は、「ノマド(遊牧民)について」です。中央アジアと言えば古くから遊牧民の多い地域でした。彼らは紀元前から、巨大なユーラシア大陸の中央部にあたるこの地で、シルクロードの交易などにも関わりながら、移動する民でした。ノマドと言えばモンゴルのイメージがあるかもしれませんが、中央アジアも負けず劣らずノマドの国です。例えば、カザフスタンのカザフとは、「自由な人々」という意味を持ち、ノマドから来ています。また、中央アジアのノマド(遊牧民)は、ユルトという、簡単に移動でき、寒さを凌げる住居に住んでいます。

ノマド(遊牧民)の住居、ユルト

ノマド(遊牧民)の住居、ユルト

さて、そんな中央アジアでは21世紀に入って、大都市アルマトイやタシュケントなどで、カフェ文化が根付きつつあり、コワーキングスペースなども増えています。そう、21世紀の中央アジアには、21世紀型の、つまり現代的な意味でのノマドが登場しています。

そこでみなさん、楽園の地図的なご提案ですが、中央アジア各国(時にはモンゴルやウイグルなども)を移動しながら、パソコン片手にノマド生活を楽しむのはどうかな、と思っております。

中央アジア各地のノマドスポット

Socials Cafe Shevchenko(タシュケント/ウズベキスタン)

中央アジア最大の都市タシュケントは、遊牧民が跋扈するカザフ草原と呼ばれるエリアと、オアシスに定住する人々の交差点として、あるいはシルクロード商人など移動する民の宿泊所として発展しました。そんな文化交差点タシュケントでは、何はともあれ市場(チョルスー・バザール)に行くべきです。青いドーム型の屋根を見ていると、アジア的とも、ヨーロッパ的とも、歴史的とも現代的とも言えず、なんかこの地域が文化が混ざり合ってできた地域なんだと思えます。また、気分はアラジンという中東感が味わえるのが。というのがハズラティ・イマーム広場。そんなタシュケントのノマドカフェはSocials Cafe Shevchenko。Google Mapで確認していただけるとわかりますが、おしゃれさと、ノマド民的な居心地の良さ、あるいは作業時のテンションの維持に向いた、とても開放的で楽しいカフェです。タシュケントは他にも、B&B Coffee House (Chekhov)など、人気のノマドカフェがたくさんあります。

Sofia House(サマルカンド/ウズベキスタン)

サマルカンドと言えば、観光的名所の多い、シルクロードの中継地のオアシスから発展した都市です。天候的に晴れの日が多いこと(青空)、そして青のモスクがあることから、青の都市と呼ばれています。そんなサマルカンドには、ノマドスペースがあります。Sofia Houseは、宿泊施設ですが、クリエイティブハブを掲げ、世界中からノマド民を集めています。他にも、観光客の多いサマルカンドにはノマドスペースがたくさんあります!

Eagilik Books & Coffee(アスタナ/カザフスタン)

アスタナ(ヌルスルタンとも)は、カザフスタンが威信をかけて作った、新しい首都です。歴史的な経緯がなく、突如として巨大なモニュメント(バイテレクタワー)やバカでかい建物が続々とでき、独特な風景です。その風景は「虚栄の都」「未来都市」なんてキャッチコピーで語られることもあります。そんなアスタナで注目のノマドスポットは、本屋とカフェが融合したEagilik Books & Coffee。英語学校も行っているらしいので、英語が喋れたら一時的な英語講師として居座れるかもしれませんよ。

AYUL(アルマトイ/カザフスタン)

ノマド(遊牧民)の国、カザフスタン最大の都市、アルマトイには、遊牧民の遺物を取り扱った展示などもあるカザフスタン国立中央博物館など、ノマド民なら特に観光すべき文化施設が多数あり、また旧ソ連時代の遺構も多く、共産主義マニアなんかにも人気の町です。人口200万人で地下鉄もあるような都会なので、ノマドスペースには困りません。特に、Traveler's Coffeeというロシア初のコーヒーチェーンがノマド作業に向いてます(さしずめ、カザフスタンのスタバってところでしょう)また、これまでとちょっと違うベクトルで、遊牧民の料理を現代に甦らせた、「ネオ・ノマド・キュイジーヌ」というメニューが味わえるAYULというレストランを紹介します。これを食べれば、あなたも立派なノマド民?

People Hostel&Coworking(ドゥシャンベ/キルギス)

荘厳なハジ・ヤコブ・モスク(正式名称、ツェントラリナヤ・サボルナヤ・メチェチ・イメニ・ホジ・ヤクバ)はぜひみておきたい。そんなキルギスでおすすめのノマドスペースは、ドゥシャンベ中心部近くのPeople Hostel&Coworking。ホステルとコワーキングスペースが融合した場所。女性専用ルームなんかもあり、交流とプライベートを両方確保できそう。私が調べた日は一泊約4500円とお手頃。

みんなで、21世紀のノマドになろう! 中央アジアより楽園の地図でした!

伝統的なノマドと、現代のノマド。

伝統的なノマドと、現代のノマド。

今週の楽園4 モンゴル、ロシアのアジア地域

ウクライナ戦争で、アジアが大量に死ぬ理不尽と、サインコの美しい歌声(トゥバ共和国)
なぜか色気があってそこはかとなく面白い、モンゴル映画の世界(モンゴル)

スパシーヴァ! ここでは、モンゴルと、ロシアのうちウラル山脈より東側、つまりアジアンロシアより、話題を2つお届けします!

ロシアと言えば、ご存知の通り、ウクライナと戦争中です。今もロシアを観光することは可能でしょうが、ジャーナリストでもない限り、今のロシアを観光しようという人は少ないでしょう。

ロシアで戦争をやりたがってるのはもちろんプーチンで、プーチンはスラブ系であり、ウクライナもスラブ系であることから、あれはスラブの戦争と言っていいと思います。ところが、広大なロシアはスラブ系の民族も多いですが、特にアジア地域(ウラル山脈より東側)を中心に、少数民族が多数暮らしています。

実は彼ら少数民族は戦争に駆り出されていて、スラブ系より明らかに戦死する人の割合が高いのです(例えばウクライナ国境よりはるかに離れた場所に住むブリヤート人はロシアに100万人いますが、その戦死者は、700万人いるモスクワ住民と同程度。つまり、ブリヤート人はモスクワっ子より7倍戦死していている)。彼らが戦争に駆り出される理由は、モスクワ住民のように政府関係者にコネを持たなかったり、稼ぎが低いため給料のいい戦場に出向いたり、不法移民が摘発することを恐れ、交換条件として戦場に出向くなど様々なケースがあります。彼ら、多くはアジアの辺境の地に住む、本来は遊牧民である彼らが、ウクライナとの国境線など気にするはずがないのです。書いててとても怒りが湧いてきました。

さてここで、まさにそんなアジア系のロシア地域であるトゥバ共和国で生まれた、サインコ・ナムチェックという歌手を紹介します。

Tanola Nomads/Sainkho Namtchylak

モンゴルのホーミーによく似た歌唱法「ホーメー」を使い、荘厳な大地に響くようなスケールの大きな歌を歌うサインコ。どうかせめて、理不尽な戦地に、この曲が届きますように。

最後はモンゴルより、なぜか私の胸にビシビシくるモンゴル映画の話題を。以前にも「セールス・ガールの考現学」を楽園の地図で紹介しましたが、近年もあの名作に負けず劣らずの作品が登場します。

まずは、モンゴルの貧困と、学業と家族の生計の両立に挑む青年の映画、『IF ONLY I COULD HIBERNATE』(翻訳すると、「冬眠できたら」)。

モンゴル映画としてはじめてカンヌ国際映画祭の出展作に選ばれた(やはりモンゴル映画は国際的にきてる気がする。カンヌと私が言ってるから間違いない!?)本作。貧乏な家庭に生まれながら、自分の運命を変えるために奮闘する少年の話。

この映画の冒頭、湯煙のようなものが立ち上る街が映し出されます。これは、ウランバートルの郊外にある独特の風景で、ウランバートルという街が急速に発展し人が溢れたためインフラが追いつかず、電気や上下水道などの生活インフラが届かない場所に、貧しい人々がモンゴル式のゲルを立てて暮らしています。そんな状況があの最初のショットに映し出されているわけですね。

そういう場所では、石炭で暖を取る必要があり、特に日本では考えられないような寒さに見舞われる冬場、石炭の確保は必須です。映画のタイトルである「冬眠したい」は比喩で、「冬をしのぎたい」学業や家庭の事情に追われる中で「休息したい」という意味があります。世界の片隅では、勉強したい意思があるのに満足にできない人々がまだいます。

Silernt City Driverは、フランス人歌手セルジュ・ゲンズブールの挿入が素晴らしいなと思っていたら、あの「セール・ガールの考現学」の監督の続編と知り、俄然興味津々。刑務所帰りの主人公ミャマーと、彼が働くことになった葬儀屋の娘、サルールとの対話を経て、人生の意味に気づいていく、そこはかとない感動作。前回はセックスショップが舞台でしたが、今回は葬儀屋が舞台。私は常々、人類のストーリーは性と死をトリガーにして深まると思っていますが、今回は死がメタファーなのでしょう。今から日本で見られるようになるのが楽しみです。以上、モンゴルとロシアのアジア地域より、楽園の地図がお届けしました。

おわりに

助手「というわけで、今回は南アジア、中央アジア、北アジアを中心に4つのエリアより8つの話題をお届けしました。いかがでしたか、船長さん」
船長「うん、最近東京も涼しく、日によっては肌寒くなってきたけど、寒い地域からの話題が多くて、秋の訪れを感じたよ」
助手「なんだその感想。私はやっぱり、中央アジアをホッピングしながらノマドするプランに憧れましたよ」
船長「最近、ニュースにコメントをするだけになってるけど、またどこか、俺たちもノマド旅に出るか」
助手「せ、船長!その言葉を待ってたっす」
船長「ああ、相棒、行くぞ!」
助手「せんちょー大好きー。モンゴル式のゲルで一緒に眠りましょー」
船長「次回こそ、中東よりお届けします!」

(つづく)

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