第83号 バリ島、行くならウブドを目指せ!

Tegallalang Rice Terrace, Bali, Indonesia
もくじ
はじめに
はじめに
旅への憧れ、旅の計画、旅の最中、旅の思い出
早く海外旅行に行きたいな〜。
でもあれもやんなきゃだしこれもやんなきゃだし、、、という現状、、、の中で、楽園の地図の記事を書かなきゃいけないのは「やんなきゃ」の範疇ではありますが、一方で旅にでたい欲を癒す行為でもあるなと思いながら書いてます。考えてみると、旅行の意味って、行く前に計画する楽しさもあるし、ああ、どこかに行きたいなと思い焦がれる瞬間にあるとも言えるんじゃないでしょうか。例えば上にあるのはバリ島の段々畑の写真。最高に素敵な写真で、ああ、またバリに行きたいなーって思うんですが、行ってる最中は暑さにやられたり、乗り心地の悪いバスに揺れたり、案外素敵な瞬間だけじゃなかったんですね。でも、帰ってみて振り返ると、バリ最高!となっています。
旅に出向くことが旅と思いきや、このすべてが旅といえると僕は思います。今日もバリ島に想いを馳せながら、東京の地で原稿を書いてます。それではどうぞ。バリに行くならウブドに直行してね!
今週の楽園 ウブド(バリ島/インドネシア)

ウブドの路地
バリに行くならウブドを目指せ!
友人がバリ島に行くと知り、「バリ島のどこに行くんですか?」と聞くと、多くの人はキョトンとします。おそらく多くの人にとってバリ島とは一つの小さな島、中央にヤシの木でもあるような南国の孤島を想像しているのかもしれません。
しかし、バリ島は5780平方キロメートルの大きさのある島です。約430万人の人口を抱えています。これは日本で例えれば、面積は沖縄の5倍近く、人口は北海道よりやや小さいぐらい、と言えます。仮に友人が「北海道に旅行に行く」って言ったら、「北海道のどこに行くの?」と聞きますよね? バリ島に行く、というのはつまり、どこかわからないけどとりあえず北海道に行く、と言ってるようなもので、もうちょっと計画を綿密にした方が楽しくなりそうです。バリ島の5分の1程度しかない沖縄本島に行く場合だって、那覇に行くのか北谷に行くのか恩納村に行くのかで大きく変わりますよね。
そこで楽園の地図的には、ウブドというバリ島の中央部にある村を滞在地として推したいと思います。なぜウブドかというと、単純に、休みの日に南の島で気軽にのんびり過ごしたい、というニーズに最も沿うのがウブドだからです。バリ島は滞在地によって全く印象が変わり、失敗した滞在先を選ぶと、みなさんのお望みに沿う休日を過ごせない可能性が高いからです。
さて、バリ島はインドネシアにあり、インドネシアは発展途上国なので、島内に鉄道やトラムなど気の利いた公共交通機関はありません。島内の移動は基本的には、バスかタクシーになります。バスは地元民が乗るような公共のものもありますが、ハードルが高いので、基本的には観光客向けのシャトルバスに乗ることになります。もしバリ島に行くのであれば、まずはこのバリ島のサイズ感とシャトルバスの路線網をある程度頭に入れておくことをお勧めします。
バリ島の観光客向けシャトルバスはKURA-KURAバスが充実していてお勧めです。
コロナ前はもっと路線があった(参考リンク)んですが、1ルートになってしまったようです。ですが、この路線は、空港→クタ(市街)→クタ(ビーチ)→サヌール→ウブド、という、1週間以内の滞在で必要な観光客が行くべきゴールデンルートをすべて押さえています。これ以外の場所に行くには、個別でタクシーをチャーターすればいいと思います。
さて、空港以外の目的地について、簡単に紹介しますと、はっきり言えば、ウブド以外の目的地(クタ、サヌール)はどちらもわかりやすいビーチリゾートです。外国資本の大きなホテルが海岸線沿いにたくさんあります。クタは西海岸にあり、最も古くから観光地開発がされた場所で、まあハワイで言えばワイキキビーチのようなものかもしれません(残念ながらここはインドネシアなので、ワイキキほど環境はよくはありません。例えば、ビーチに行けば観光客にものを売りつけようとする輩がいたり、街を歩けば道路が舗装されておらず道がボコボコしてます)。ただし、ツーリストのハブとなってはいるので、例えば買い物とか、お土産物とかをゲットするなら便利な地域かもしれません。一方、サヌールは反対側の東海岸にあるビーチで、クタよりも新しく開発されたエリアです。なので、よく整備されたビーチリゾートで、のんびり過ごしたい、ということであれば、サヌールはかなりいいエリアと言えるかもしれません。ただし、新興エリアなので食事をするにもホテルの中のレストランが中心になると思いますし、少しものたりないかもしれません。さらに、バリ島は説明の通り大きな島なので、西海岸のクタ、東海岸のサヌールでは大きく天気が異なることがあり、気候や海のコンディションも大きく異なります。私が訪れた際は、サヌールは猛暑で、とても街中を歩けたものではなかった気がします。
そこでウブドです。ウブドは日本で例えれば軽井沢のような場所で、要するに山の中にあります。熱帯のインドネシアの中でも、涼しげな風が流れていて、とても過ごしやすい場所です。ただし、山の中なので海はありません。せっかく南の島に行ったのだからビーチも行きたい、という人は多いでしょうから、私のお勧めプランは、ウブドの中級クラスの宿をとって、のんびり過ごしつつたまにサヌールやクタまで出張ってビーチを堪能したりするのがいいと思います。ウブドは山の中ではありますが、観光客が密集するエリアなので、夜遅くまで外食は充実しています。地元のインドネシア料理(ナシゴレンとかサテとか)はもちろん、白人の観光客が多いのでレストラン、のんびりするのが滞在目的の方が多いのでカフェ(食事も素晴らしい!)も充実しています。ウブドの地が気に入って長期滞在していたり、気に入ってそこでレストランを始める人も多いので、ある意味で大手資本が関わっているクタやサヌールより質のいいレストランに巡りあう可能性は高いかもしれません。

テキストが饒舌すぎたので、ここでバランスをとるためにカフェ。
ウブドの魅力は、田園にあります。つまり、「田んぼ」です。この田んぼ、みてるとなぜか日本人じは落ち着くんですよね。世界には米を主食とする地域、小麦を主食とする地域などありますが、ウブドの田んぼをみると、「ああ、同じチームの民だな」と思います。田んぼはクタやサヌールにはありません。
上の写真は、Tropical view Ubudというカフェレストランのテラス席なのですが、ここが最高なんですよ。店員さんに、「Could you try ricefield view terrace?」と聞かれ、ライスフィールド・ビューってなんだ、米俵でもみるのか、と思ったんですが、田んぼのことだったのね。すごくいい見晴らしなので日本でも意外と流行るかもしれません。いやいや、トライしてよかったライスフィールド・ビュー。
ちなみにウブドにも、リゾート!って感じのわかりやすいプールのあるホテルや、

例のようなプール@Pertiwi Resort & Spa
地元民の生活を感じられる市場のようなものもあり、

地元民も訪れるマーケット@Ubud Street Market
正直な話、4日以下ならウブドだけでもいいんじゃないかなと思いますね。バリ島の海は、波が高いので、サーフィンやる人とかならともかく、たんにビーチを楽しみたいということであれば、沖縄とかプーケットとかグアムとかのほうがいいと思うんですよね。時間があればスパやマッサージに行って、体に優しい食事をして、自分を労ってあげてください。
あ、その前に、さすがに観光客として避けて欲しくないスポットは、蓮の葉が浮かぶ池が美しいサラスワティー寺院、王宮、モンキーフォレスト、そしてマーケットぐらいはみてください。あ、そう言えば、バリ島と言えばガムランという楽器が有名なのですが、ガムランを使った伝統的なコンサートが夜に王宮で行われます。これは絶対に見てほしい!特に、なんかトリップ感のあるガムランミュージックは、長く聴いてるとどこかに瞑想していきそうな、不思議な体験を催します。私はやったことないけど、いけない葉っぱとかってこんなかんじなんでしょうかね。
ガムランミュージックはこんな感じ。生で聴いてほしい!
ウブドは、元々バリ島の中でもかつての王宮があった場所で、オランダ等の列強の植民地になってからは文化的な首都として、芸術家が集まり、表現した場所です。なので、ガムラン音楽家も、舞踊家も、あらゆる芸術家が暮らしている街なので、この表現に触れない限りはウブドの観光を成就したとは言えません。村の中にはギャラリーも多いので、ふらっと訪れてみることもお勧めします。私的には、仏教に支えられたバリは、インドより何かが見つかる可能性が高いんじゃないかな。どうでしょ。ちなみに、バリ島の歴史はバックナンバー(8号)にもまとまってます。島の歴史が知りたい方はこちらも参考まで。
今週のオアシス Café des Délices (チュニス/チュニジア)

Café des Délices, Carthage, Tunisia
たまには、気持ちよくボラれてみてはいかが
楽園さんは世界のいろんなところに行ったことがありますね、と言われますが、そんな時は必ず、「いやー、実は南米とアフリカは行ったことがないんですよ」と答えてます。ワイルドな場所にはあんまり行けてないんですよね。と思ってたんですが、そう言えばアフリカは行ったことがありました。子供時代にエジプトに、そして大人になってからはチュニジアに。チュニジアって、アフリカなんですけど、地中海の先っぽにあるんでアフリカ感がまったくない地域なんですよね。
で、写真は、地中海に面した、チュニジアの首都から日帰りで行ける範囲の遺跡のある街、カルタゴのカフェ、「Café des Délices」。英語のガイドブック、ロンリープラネットを見て行ってみたんですけど、この景色、ずっとみてられます。
日本の外務省は海外渡航先の危険度をレベル1からレベル4に分けて紹介しています。これによると、チュニジアはレベル1(十分注意してください)なんですよね。レベル1って、昔はタイのバンコクの中心部や、今でもバリ島やラオスなんかもレベル1なんですよ。つまり、まったく問題ない、余裕だなと思ってたんですけど、バンコクとバリ島とチュニジアが同じ評価なんてびっくりしちゃいましたよ。どう考えてもチュニジアの方が危険です。まず観光客が少ないのでアジア人がいるだけでジロジロみられます。スーク(市場)は道幅が多く、明らかにスリっぽい挙動不審な人や、スリでなくても女性のお尻でも触ってやろうという痴漢が横行してそうな雰囲気。道端には銃を構えた警官がたくさんいます。ぼったくりは日常茶飯事で、空港で拾ったタクシーはたいてい何らかの理由をつけて超過料金を請求しようとしたり、高額なチップを要求します。
要するに、チュニジアは日本人の感覚からするとイライラハラハラする機会は多いと思います。でも、少なくてもご飯は地中海仕込みで、他のアフリカ諸国より美味しいかも。このカフェも、観光客向けのカフェとあってチップをしつこく請求されることもあります。ですがそれでも、この景色は他では味わえません。どうせチップを請求されたとしても日本円で千円程度なので、まあ気前よく払ってもいいんじゃないでしょうかね。ぼったくられないように常に気遣うのもインドやアフリカの賢い過ごし方ですけど、多少おおらかな心を持って、お金持ち(現地の人からすれば日本人のあなたは余すことなく金持ちです)として気前よく振る舞うのも旅のコツなんじゃないかなと思います。

このカフェのあるあたりは、青の街と呼ばれていて街並みもきれい
今週楽園で聴きたい音楽 Destination Nowhere/Project E.A.R. (東南アジア)
東南アジアカルチャーの勢いを感じよう!
突然ですけど、私たちアジア人ですよね! 東アジアの私たちにとって、アジアのカルチャーと言えばつい韓国や中国系のものを思い浮かべがちです。あるいはインドの映画を思い浮かべる人もいるかもしれません。東南アジアというのは、今日の冒頭のようにバリ島とか、あるいはタイとベトナムとかフィリピンとか、渡航先としてはそこそこメジャーでも、カルチャーというとあまり目立った印象はありません。特に東南アジアのバンドと聞いて、誰か思いつくアーティストはいますか? そんな東南アジアカルチャー初心者のあなたに、入口としてProject E.A.R.というバンドはいかがでしょうか? オアシスやエアロスミスみたいに、わかりやすいスタジアムロックにラップが絡んでくるミクスチャーバンドです。サビは気持ちいい曲。とっつきやすいバンドだと思います。
E.A.R.とは、East Asia Revolutionを意味しまして、あるいは音楽ですから、Ear(耳)とのダブルミーニングもあるかもしれません。その名前に恥じぬ通り、このバンドはタイ、フィリピン、インドネシア、シンガポール、マレーシアの東南アジア5カ国からプロのミュージシャンが選抜されたスーパーグループです。
Destination Nowhereとは、まさに東南アジアそのものを指すみたいなキーワードだと思います。本当のことを言えば、「どこに向かってるかわからない」という状況はあまりいいものではないかもしれません。でも、人々に元気があって、階段を登ってる時代って、案外こういう勢いだけで突き進んでる状態なのかなってちょっと思っちゃったりする自分がいます。日本は「次はどうなっちゃうんだろう?」とビビって何もできないみたいな空気感が襲っているような気がするので、東南アジアの熱さを感じながら聴いてみてください。
東南アジアを旅行して感じるのは、他の地域よりも何が起こるかわからない魅力に溢れてるんですよね。どっちに向かってるのかわからない感。ツーリストも地元民も、とにかく全力で今を生きるみたいな気がします。日本で言えばたぶんバブル時代ってこんな時代だったのかなと思います。とにかくみんな元気で、夜遅くまでクラブではしゃいだり、飲んだり、道端でじゃれあったりしてます。そして、その空気が歌舞伎町みたいに欲望に渦巻いてるという感じもなく。なんか、市民全体がみんな楽しんでるのが東南アジアかなと思います。このバンドのコアになってるのは、タイを代表するミクスチャーバンド・Thaitanium(タイタニウム)です。タイを代表するかっこいいHip Hopグループですのでぜひお試しあれ。
今週楽園に行けない人のために サイゴン・クチュール (ホーチミン/ベトナム)
アオザイの魅力に気づくミス・サイゴンのタイムリープ話
今日の映画はベトナムですよ。ベトナム映画と言えば、かつてはトラン・アン・ユン監督(代表作「青いパパイヤの香り」(1993年)。知ってます?)なんかの映画は見た気がしますが、あんまり映画情報が日本に伝わってこない国の一つです。そんなベトナムからヒット作が登場しました。サイゴン・クチュール。舞台は1969年のサイゴン(現在のホーチミン)。フランス帰りのお嬢様だった娘はミスサイゴンに選ばれるような美人で、高飛車、イケイケ、そんな女の子です。しかし彼女の実家は元々はアオザイ(ベトナムの伝統衣装。まあ、日本で言えば着物ですよ)で財を成した一家。母親は娘にアオザイを作れる人になってほしかったようです。そんな彼女は家宝のアオザイをこっそり着てみたところ、なぜか2017年にタイムスリップ。すっかり落ちぶれてしまった一家を建て直すために、アパレルブランドで奮闘、そんななかで、古い価値観を見直そうという文化が根付きだしたホーチミンで、昔ながらのアオザイの魅力を再発見する、という話です。
ベトナムの映画なので、家族の絆を再発見するベタな話なのですが(アジア映画、特に東南アジア映画というのは8割ぐらいは家族映画です。残りがホラーとアクション。)、映像も綺麗だしファッションも面白いし、ベトナムの街も可愛いのであまり肩肘張らずにみてほしいです。ただ、一番のみどころはなんと言っても主演女優のゴー・タイン・ヴァンの美しさ、かわいさでしょう。特に1969年から2017年にタイムリープしたあと、本人の顔のメイクも昔風から現代風に変身するのですが、そのキャラの豹変ぶりは要チェック。彼女の活躍はベトナムにとどまらず「スターウォーズ/最後のジェダイ」などアメリカのメジャー作にも出演歴があります。私もすっかりファンになりまして、彼女が主役の別作品も見てみようと思いました。サイゴン=ホーチミンの街の美しさにも注目。なぜかアオザイが欲しくなる一作です。
おわりに
助手「船長!大変です!」
船長「どうしたの?」
助手「長らく航海を続けてきましたが、食料も尽きたし燃料もつきました」
船長「やばいね。ていうかそういう設定ちゃんとあったんだね」
助手「どうしましょう?」
船長「そりゃお前、どっかの港に停泊するしかないだろう」
助手「どこに停泊しましょうか?」
船長「近場でいいんじゃないかな。どこが近いの?」
助手「えーっと、ここからだと、、、ザンジバルですね」
船長「ザンジバルか。確かアフリカの」
助手「タンザニアの港町です」
船長「いつの間にそんなところまで来てたんだ?」
助手「そりゃもう僕らだって1年半ぐらい航海してますからね。ということで港を降りて、食材と燃料をゲットしないと」
船長「ちょっ、ちょっと待って。お金とかあったっけ?」
助手「ないです。Paypayなら2万円ぐらいありますよ」
船長「ザンジバルで使えるわけないだろ、Paypay」
助手「現地で働いてお金を稼ぎましょう」
船長「どうやって?」
助手「大道芸とかして」
船長「労働ビザないのよ。あ、本当のボスからメール」
楽園の地図作家より「現地通貨をいくらかWISEで送っときました。食料燃料調達頑張ってね」
船長「ちょ、ちょっと待って。俺たち、初めて陸に上がるのか」
助手「そうですね」
船長「船を降りるのか」
助手「そうですよ」
船長「一つお願いがあるんだけど」
助手「なんでしょう?」
船長「船から降りても船長って呼んでね」
助手「なんじゃそりゃ。大丈夫ですよ、船長。船長は船を降りても船長です」
船長「助手〜!」
(次週、陸よりお届けします)
すでに登録済みの方は こちら