楽園の地図72号 沖縄のタイポップDJ、817さん(後編)

モーラム/ルークトゥン/ラムヤイ・ハイトーンカム/ダイナミック琉球
船長と助手 2025.01.10
誰でも
<a href="https://maps.app.goo.gl/Bc8GB9DYbBdDQrqa7" target="_blank">National Taichung Theater</a>, Taichung, Taiwan

National Taichung Theater, Taichung, Taiwan

もくじ

はじめに 相変わらず台湾にいます
今週のスペシャルゲスト タイポップDJ 817さん
 〜日本にいながら聴ける!お気に入りタイポップの見つけ方
 〜タイでの、タイポップ(モーラム・ルークトゥン)との出会い方
 〜モーラムやルークトゥンではない普通のポップスはどうやって探す?
 〜タイポップと沖縄ポップスの共通性
 〜817さんの、沖縄に対するフィール
告知
おわりに

はじめに

相変わらず台湾にいます。

台北(九份、淡水にショートトリップ)〜台中〜嘉義〜台南と移動中です。

台北では、楽園の地図のインタビューとして台湾オリジナルのデザインお土産を営む店主さん、そしてあるライブハウスにお邪魔して話を伺いました。近日公開されると思われますので、乞うご期待。台北ではどうしても観光というよりは人に会ったりあれこれしてる間に終わるという感じでした。

九份に関しては、特に週末や中国や韓国や日本の休日と重なる日は行かない方がいいというのが感想です。どこに行っても素晴らしい台湾ですけど、九份は10年ぶりに行きましたけど、あそこはオーバーツーリズムでいただけません。マナーがいいと自負する日本人であれば、特に週末の観光を自粛すべきだと思います。明らかに街が許容できるキャパを超えて観光客が溢れています。

私的に、あまり期待してなかったけど面白かったのが台中です。台中に関しては、さっそく次週にでも楽園として紹介予定です。

私が最初に台湾に出向いたのは2008年ですが、それから17年で最も変わったことは、街がオシャレになったこと、音楽やカフェがおしゃれになったこと、ゆるキャラが増えたことなど時代に合わせた変化を除くと、韓国人観光客が増えたことではないかと思います。街にはそれまで中国語、英語、そして日本語しかなかったものが、ここのところハングルも街中で見かけるようになりました。

楽園の地図🏝️
@rakuenmap
写真は嘉義駅前の外国語教室。自身のキャリアを考えた時に外国語を覚えるのはどの国も一緒。美=英が強いのも一緒。台湾だと、英の次が伝統的に日だ。でも、この国でも韓が影響力増やしてる。私はこの旅で何度もAre you Korean? Japanese?と聞かれた。
2025/01/05 17:53
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この先のアジアはどこに向かうんでしょうか? 中(台)・日・韓に続いて東・東南アジア第4の言語の座を固めつつあるタイ、そして、J-POP、K-POP、C-POPに次ぐ第4のアジアンポップ、T-POP(タイポップ)にも注目が集まります。というわけで、今週も先週に引き続き、沖縄在住でタイポップスを中心にDJを行う、817さんをお迎えして、ハマると抜けれなくなるタイポップの話、そして沖縄ポップスとタイポップの共通点、固有の文化へのリスペクトと、その文化をある意味で壊しながら進化するエンタメ業界のパワーなどについて話は展開していきました。前号まだ読んでない方はそちらもぜひ。

今週のスペシャルゲスト タイポップDJ 817さん

バンコク最大の週末市場、「チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット」を物色中の817さん(写真中央)

バンコク最大の週末市場、「チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット」を物色中の817さん(写真中央)

817さんプロフィール

1984年生まれ。沖縄生まれ東京育ち。沖縄、バンコク、東京などでDJプレイする。毎年「りんご音楽祭」などでDJプレイするなど大活躍中。日本で数少ないタイポップ(タイのポップスと、モーラム、ルクートゥンなどのタイ民謡)DJ。(XInstagram

日本にいながら聴ける!お気に入りタイポップの見つけ方

(前編からの続き。もし前編読んでない人がいたらよければ前編(71号)も見て!)

 そもそも、817さんがタイポップDJを始めたきっかけはなんだったんですか?

 30代のときに、DJ仲間とジャンル縛りってやってたんですよね。今日は「なんとか縛り」って。パーカッションが鳴ってる音楽縛りとか、遅い曲縛りとか。アート思考が強い仲間だったから、「動物園の檻を開けて動物がパッと逃げていく時に流したい曲」縛りとか。その中で、タイ音楽縛りでやったときに、今までになくオーディエンスの反応がよくて。俺、これでやるわって。それからタイポップだけでDJをやるようになりました。

 なるほど。それがタイポップDJ、817さんの誕生ですね。

 そうそう。初めてみたら、ジャンルを縛ることでけっこういいこともあって。DJとしてのユーティリティが上がったと思います。たとえばHip Hopのイベントに呼ばれたら、タイのHip Hopをかけなきゃって感じになって。四つ打ちのイベントに行ったらタイの四つ打ちって感じで。個性もわかりやすいし、音源もあれもこれもと買わなくて良くなったから経済的にも助かったし。リスナーとしてはタイ以外の音楽も聴きますけど。

 タイ音楽はどうやって仕入れてるんですか?

 iTunesストアですよ。あとBandcamp(※1)。

(※1)音楽のダウンロード販売と試聴に特化した世界的なサービス。インディーズ系、インデペンデント系アーティストの楽曲が多いイメージ。Appleやspotifyにない音源も多数。価格設定をユーザーが自由に選べる斬新なサービス。

 例えば読者の方でタイの音楽を聴こうっていうときに、 iTunesだとちょっと分かんないじゃないですか。どうすればいいですかね。

 そっかそっか。おすすめはGrammy Goldっていうチャンネルがあって。

Grammy Gold Officail

 タイのエンターテインメント、全エンターテインメントの75%がグラミー仕切りっていう。吉本とエイベックスとソニーとAKB48グループが一緒になったような、巨大な会社があって。そこのYoutubeチャンネルがあって。Grammy Goldの他にもいろんなチャンネルがあります。

GMM GRAMMY OFFICIAL

※上記のYoutubeチャンネルの下部、「SUBSCRIBE」のところに各レーベル? ジャンル? のチャンネルが存在します。

 これらのチャンネルをチェックして、いい曲だと思ったら、その文字列をコピーして、iTunesストアに入れると買えます。

 コピーする文字列はタイ語ですか?

 タイ語です。それで、いい感じに自分のiTunesストアのプレイリストがある程度たまってくると、あとはiTunesがいい感じの曲を書き出してくれるので、それを追っていくと快適です。タイ語は読み書きがハードル高いんで、そこがいちばん大変ですね。

 タイ語難しいですよね。

 タイ語が読めるようになるとかなりはかどるんですけど。あとは、タイでも今DJが音楽をミックスしたものを YouTubeに上げることが流行っているので、馬鹿らしいですけど、PCでそのミックスをかけてスマホでShazam(※2)するっていうのは地道ですけど良いです。

(※2)音楽好き必須のスマホアプリ。その瞬間、街で鳴ってる音楽を検索して調べてくれる。かなり精度が高い。旅するときにも地元で流行ってる曲を調べられて便利ですよ。

 なるほど。

 Spotify、Apple Musicで「タイポップ」で検索してプレイリストを聴くと 99.5%バラードなんですよ。

 それ、中国とか台湾とかベトナムとかもそうですよ。アジアの国はバラード大好き。

 あとはHip Hop。ゆったりHip Hopがかかります。 なので、本当は「ルークトゥン」「モーラム」で検索した方がいいんですけど、英語表記の「Luk thung」・「Mor lam」でアップしている人なんていないので、タイ語表記の「ลูกทุ่ง」「หมอลำ」でググって、チェックして気になったらiTunesで買う。買うのが大事なのは、マイナーレベルは配信をやめることが多いからです。

 配信をやめるのは、現代の音楽も?

 現代も。古いのだったらなおさら、見つけたら手元で買っておく。CDもリリースされていないものも多いので。ちょっと前ですけど、R-Siamっていうそこそこ大手のレーベルが日本での配信をやめたんですよ。だからお気に入りの曲は手元に持っておく。聴けるんだけど買えなくなっちゃって。Apple Musicは聴けるけど、iTunesでは買えなくなる。

 配信で聴けるものが買えない??

 意味わかんないですよ。不思議ですよね。でもいちいちVPN(※3)を使ってやりたくないから。

(※3)VPN=Virtual private network。音源の試聴を含むWebコンテンツの閲覧制限が国ごとにかけられているケースが多いが、VPNを繋ぐと任意の国に所在しているのと同等のサービスが受けられる。たとえば日本の「Tver」は日本国内でしか視聴できないが、VPNで日本のサーバーに繋ぐと海外からも閲覧可能。その逆に海外でしか見れないサービス(たとえば中国発のQQ音楽や香港発のJOOXなど)を日本にいながら視聴可能。

 おそらくタイ国内では聴けるし買えるけど、日本での流通を切っちゃったってことですね。なんで切っちゃうんですかね?

 日本でディストリビューションしてる会社と揉めたんじゃないかなと思ってます。 直販すんなみたいな。 でもその会社も、やっぱり販売やめたみたいになって。

 タイに限らず、アジアの曲は突然聴けなくなるケース多いですよね。聴いてたら3日後には消えてるみたいな。あの3日間はなんだったんだみたいな(笑)

 ありますよね。わかんない。 

Listen! (アンカナーン・クンチャイ/Angkanang Kunchai/อังคนางค์ คุณไชย)

タイ・イサーンの最深部、ウボンラーチャターニー出身の女性歌手。曲の始まりで低めのヴォーカルで♪おぉおぉ〜と聴こえたら、「おお、きたー」って思います。

タイでの、タイポップ(モーラム・ルークトゥン)との出会い方

 旅行でタイに行く方は多いと思うんですけど、その時にタイポップに触れるやり方とかあるんですか?

 バンコク郊外にあるイサーン・ラムプルーンってお店があって。俺がタイポップと呼んでいる、「ラムシン」「ルクトゥン」「モーラム」に特化したレストランがあります。 毎日生演奏してます。 」

 チャトゥチャックマーケットの横。MRTで言えばタオプーン駅かバーンスー駅の近くですね。

 道が空いている夜であれば中心部からタクシーで30分くらいかな。タクシー運転手はイサーンの人が多いので、お店の名前を告げれば連れてってくれると思います。あとはタワンデーンっていう名前の同じような形態のレストランパブがあって。イサーン料理屋さんにイサーン音楽の生演奏がついてるみたいな。

 時間帯は何時くらいからがいいですか?

 22時、23時くらいから盛り上がります。一人で行くようなとこじゃないです。 テーブルなんで。

楽 いわゆる日本のクラブ(踊る方)を想像するとぜんぜん違いそうですね。日本だと何に近いんだろうか。

 ショーパブとか民謡酒場みたいな感じですかね。

 それは普通に日本人が行ってもウェルカムな感じですか?

 ウェルカムウェルカム。 英語メニューもありますよ。歌手がイサーンのヒットチャートを歌います。

 本物じゃないですよね?

 本物が来ることもありますけどまれです。基本的には箱バン(店舗専属のバンド)がやってます。 遅い時間は上手い人が多い。

 踊ったりしますか?

 めっちゃ踊ります。お客さんもその場で立って、テーブルを囲みながら踊る。日本のクラブみたいに不特定多数の人と交わるって感じじゃなくて、基本的にテーブルを囲む仲間うちで遊んでる感じ。DJをじっと見るみたいなクラブは、ローカルではそんなにないですよ。

 今度タイに行った時寄ってみます。

 いま話した「イサン・ラム・プルーン」と「タワンデーン」は、今のルークトゥン、モーラムに触れられる場所。 「タイファンク」と呼ばれているちょっと価値が上がってるやつは、「スタジオラム」っていうクラブ、小さめでどちらかというとミュージックバーみたいな感じ。隣がレコード屋(ズドゥラングマレコード)になってて。それはParadise Bangkok Molam International Bandっていうバンドのマフト・サイ(Maft Sai)っていうイギリス帰りのタイ人、現代のタイ音楽にとってかなり重要人物がいる場所です。

 トンローの駅から近いスクンビット通り沿いのおしゃれな店ですよね。ここは行ったことある。あと、soi48の本(※4)でも読んだ。マフト・サイはモーラムやルークトゥンに価値があるということをタイ人で気づいたオリジネーターというか、ディグる人のトップみたいな感じですよね。

(※4)「soi48の本」=旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド TRIP TO ISAN。タイ音楽、特にモーラムとルークトゥンに特化した音楽ガイドの金字塔。タイ音楽好きなら必読。

 そうそう。 彼がタイ中に散らばってるモーラムやルークトゥンに値段をつけた。

Listen! THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTENATIONAL!

バンコクのタイ人にとってはいっときすでに過去のものとなったモーラムをリバイバル中。

モーラムやルークトゥンではない普通のポップスはどうやって探す?

 モーラムやルークトゥン以外の、いわゆるポップスみたいなのはどうですか?

 「Sao Sao Sao」(สาว สาว สาว)っていうアイドルが1981年に結成されるんですけど、これがタイの最初のガールズグループ。歌手的なことではなくガールズグループとして登場するんです。Sao=娘なので、直訳すると「娘娘娘」なんですけど。3人組で。

 なるほど。

 そこを皮切りに、80年代にアイドル的なものが 生まれてきて、ポップスに寄ってきて。それは日本のアイドル文化だったりとか、アメリカのガールズポップ文化っていうか、要はマドンナみたいなことをやりたいみたいな。

 音楽もそういう感じですか?

8 そうです、ポップスです。スネアもゲートがかかったりしてて。そこからロックバンドが生まれたりもしてます。でも90年代初頭はX JAPANの影響が大きい。当時は日本文化の影響が強かった。宇多田ヒカルまでは日本文化優勢。そこからは洋楽になって、その後はずっとK-POP。だからジャニーズもかなり聴かれてて。俺が大学行った時のジャニーズサークルは 大学に4つぐらいあって、どんだけ実家が太いかで所属サークルが違ってくるんですけど、一番上のサークルは本人たちに会える子たちの集まり。

 タイは階級社会ですね。

8 モーラムやルークトゥンじゃない、バンコクから見たタイポップのヒストリーは、タイ大使館がT-pop HISTORYっていうYoutube動画を出してて、それが非常によくまとまってる。

 14分でT-POP(タイポップ)の歴史を振り返る。最高ですね! 

8 これはバンコク目線の、ポップスの歴史ですね。これを真面目に見ると、DOJO CITY(レーベル)の話とか、R-Siam、Grammy、バンコクのポップミュージックの変遷みたいなのは見事にまとまってました。

 じゃあこれとモーラム、ルークトゥンが両方あれば。

8 そうなんですけど、90年代以降のイサーンの音楽史と、あとさっきのタイポップの動画は80年代からなので、70年代以前のバンコクの話が抜けてる。でも俺はこれで十分だと思って。俺はルークトゥン、モーラムを重要視する人間なので、それ以外には独自の音楽は各自が歴史を掘るとして、そこまでこの動画に求めるものでもないだろうし。バンコクにもイサーンの音楽が入ってきて、タイの音楽がどんどん発展していくので。ジャズとかロックンロールはあるんでしょうけど。

 ルーク・クルン(※4)とかもありましたけどね。あんまり面白くはないですよね。

(※4)ルーク・トゥンはタイ語で「田舎の子」という意味。それに対するルーク・クルンは「都会の子」で、文字通りバンコクをはじめ都会で流行る音楽を作り手は意識した。が、中途半端なポップス志向で、正直今の耳で聴くとつまらないかもしれない。

8 俺は無理っすね(笑)。 今はタイ音楽に光が当たってるのでみんなタイのレコード買いまくってるんですけど、レコ屋行って2000枚ぐらいあっても、 多分1950枚はルーク・クルンなんですよ。。

楽 現代のルーク・トゥンとかモーラムはないんですか? 最新のやつ。

 めちゃくちゃありますよ。それがさっきのグラミーチャンネルに上がってます。

楽 そか。最新のはそっちに上がってるのか。ルークトゥン、モーラムに関してはGrammyで現代があって、過去のはレコ屋をほったりSoi48の本があったり。で、ポップスはT-POP Historyが抑えてくれてる。

 そうそう。今はバンドも盛んで、沖縄にも毎年2月にバンドが来ているし。 タイのバンドにもタイファンクや、 70年代モーラム・ルークトゥンの要素を入れたバンドも出てきているし。

楽 リバイバル?

 そうそう。リバイバルって2つの方向っすね。西洋音楽に馴染んだ人たちから見るタイファンクと、プロパーでずーっとタイの音楽やってる若者バンドがやってるっていう。

楽 後者の、ずーっとタイ音楽やってるバンドはイサーンにいるんですか?

 乾季は巡業でずっとタイ国内をツアーしてますが、自宅はイサーンのはずですよ。

 前者の、西洋音楽を通過したのちルークトゥンとかモーラムの要素入れてタイファンクやってる人はバンコク?

 バンコクとか チェンマイとか。 イサーンの連中も上京してバンコクにいたりもするでしょうし。ラムヤイ・ハイトーンカムのお家は、さすがにバンコク周辺なんじゃないかな。 イサーンの音楽をやって。

 ん、ラムヤ・・・?

 ラムヤイ・ハイトーンカム。

 タイ人の名前って覚えづらいですよね。タイ語難しい。韓国語とか中国語はなんとなく入ってくるんですけどね。 

 ラムヤイはフルーツで「龍眼」(リューガン)って意味なんですけど、ラムヤイ・ハイトーンカムって発音するときに、「ラムヤイ、あ、 フルーツね」って覚えて。ハイトーンカムは「金色の壺」っていう意味だとチェックしてるから、日本語から思い出すこともあります。 

 なるほど。話を聞いてもやっぱ大変そう(笑)。あと、タイ人の名前はアルファベットにすると 、表記揺れがすごいんですよね。英語で検索しても出てこないことも多い。

 そうなんですよ。子音が重なったりするから。

 日本語だとローマ字で一応スペルが決まってるから、SHI かSIか、とかはあるけど、タイ人の英語表記はもうバラバラ。揺れまくり。 

 でも、だからタイのレコードがこの時代までバレなかったっていうのはありますよね。やっぱり 英語表記にしたら世界の音楽好きやDJに荒らされますね(笑)。そこで守られてきてるなって思います。

 確かに。日本も日本語表記だからあんまりバレてないですよね。

 特に民謡とかまだ世界にバレてないですよ。

 そういう意味でも日本とタイは近いですよね。

 うん、非西洋で連帯しやすいような気がする。

Listen! Sao Sao Sao(สาว สาว สาว)

タイポップと沖縄ポップスの共通性

話は、前号匂わせで終わった、817さんの主戦場である「タイポップ」と、817さんのルーツである「沖縄ポップス」の関連性という話になりました。

 俺はタイで流行ってる音楽を「タイポップ」と雑に言ってますけど、「モーラム」、「ルークトゥン」と言われているタイの民族音楽を、スリン・パークシリ先生(※5)が発展させて、西洋楽器を取り入れて、どんどん変容しながらも成長していったジャンルが俺は大好きで。

(※5)SURIN PHAKSIRI=モーラム、ルークトゥンの発展における重要人物。伝統的なモーラム、ルークトゥンを西洋のポップと折衷し、新しい音楽を切り拓いた。

 一方で、「沖縄ポップス」と言われる音楽もあって。「りんけんバンド」(※6)が出てきた時に言われた言葉ですけど、沖縄の三線(※7)、島太鼓に加えて、西洋のドラムセット、エレキギター、エレキベース、シンセサイザーを入れて沖縄民謡をもとに発展させていったものです。

(※6)りんけんバンド=照屋林賢による沖縄音楽とポップス・ロックを混ぜたバンド。1977年に結成。メジャーデビューは1987年。代表曲は「七月エイサー待ちかんてぃ」他。

(※7)三線=さんしん。蛇の皮を使った沖縄の伝統楽器。三味線にそっくりだが、どちらかというと、中国から沖縄に伝来して、そこから大和(日本)に伝来した。なので三味線は三線の後継種。

 なるほど。土着の民謡を、西洋のロックや他の要素を入れて発展させていくという意味でタイポップと沖縄ポップスは同じですね。

 そうです。今、沖縄ポップスってかなり多種多様で、どこで演奏を聴けるかというと、観光施設とショッピングモール。

 沖縄で生まれたら「沖縄ポップス」なんですか?

 沖縄で生まれたというのはあんまり定義に関係なくて、三線の音を入れるとか、「♪ハイヤ・イヤササ」って掛け声を入れるとか、テーマとして海を歌うとか、うちなーぐち(沖縄方言)を入れるとか、やるほうからすると簡単にできることなんですけど。それがこれまで嫌いだったんですよ。沖縄ポップスが。

 嫌いだったんですね。

 軽薄な感じが嫌いだったんですよ。沖縄民謡が好きだからこそ、なんか「舐めんな」みたいな気持ちで。でも、矛盾が生じるわけです。俺はタイポップは大好き。伝統とタイの音階を活用して、歌詞の内容も下世話にして発展させた。そんなタイポップは大好きなんです。であれば、沖縄ポップスも認めないと変だなと思って。

 なるほど。タイの話はOKなのに沖縄の話になると保守的になるのは変だなと思ったわけですね。そこに気づいちゃった。

 気づいちゃった。筋が通らないなって。同じように、トラディショナルなエイサー(※5)は好きだけど、創作エイサーとか、スーパーエイサーっていう現代的なアレンジが施されたエイサーは嫌いだったんですけど、ちょっとちゃんと見てみようと思って見たんです。

(※8)沖縄の伝統的な踊り。徳島の阿波踊りや高知のよさこいと同類。

 これまで苦手だったものをちゃんと見ようと思ったわけですね。

8 そうです。2歳の子供と一緒に行ったんですよ。そしたら、頻繁に回転ジャンプする太鼓の人たちとか、謎のギラギラ衣装とか、わかりやすい沖縄方言でのMCとか。ほとんどの団体がそうだったんですけど。見れば見るほど辛かった(笑)。

 やっぱり苦手だったと。

 自分の中で沖縄はダメでタイはOKな理由を考えたんですけど、観光的であるかどうかっていうのがあると思って。沖縄ポップスは観光客のためにやってる側面がある。一方のタイポップは、たまに物好きの外国人が興味を持つけど、あくまでドメスティックな文化で、ローカルの人たちがローカルの人たちのためにやってる。モーラムやルークトゥンの本拠地はタイの東北部、イサーンと呼ばれる地域なんですけど、首都バンコクの人たちは割と田舎者の音楽だと言って毛嫌いしてるんですよ。

 そうですね。モーラムやルークトゥンはバンコクっ子からすると古い音楽ですよね。

 で、これを沖縄ポップスの話にすると、バンコク=那覇で。で、俺は那覇住まいで、糸満の創作エイサー団体見て、「はいはい」みたいな感じだなと。俺はバンコクっ子の見方と同じ。

 都会っ子が地元の文化を眺めるような気持ちで、ちょっと擦れた見方をしているわけですね。

 そうそう。だから、自分にとってタイは外国で、遠いから無邪気に楽しんでるんですけど、自分にとってあまりにも近い沖縄の音楽となると、急に「俺の大事な沖縄民謡を汚すな」となる。

 愛国心みたいなのが急に出てくる。

 そうそう。愛土心、 愛郷心。あと、ヤンキーに対しての距離感で、沖縄でいうと青年会だったりとか、 日本の本土で言うとソーラン節とか、よさこいソーランとかのヤンキー感。きらびやかな衣装、ソーランソーランって言ってるけど、 いわゆるマイルドヤンキー的な文化にぶっ刺さってる感じとか。

 お祭りになると騒ぎ出す人たちに対する嫌悪感があるわけですね。

 津軽三味線とか、トラディショナルな民謡は国民的に認められている。でも、それ以外の、伝統音楽をリミックスしてチャラい音楽にしたものに対する評価がないんですよ。スーパーのお魚コーナーでかかっている謎の三味線四つ打ちリミックスみたいなものとか(笑)。

 なるほどね。それは、結論は出たんですか?

 1個は先月出ました。エイサーのことをちゃんと勉強して、 沖縄美術大学の久万田晋先生っていう人がエイサーの歴史の話をしていて。Youtubeで見れます。結論から言うと、沖縄本島北部の一部を除いて、あれは伝統エイサーではなく、中部でめっちゃ流行っている創作エイサーだ。そもそもエイサーの起源の起源をたどったら、太鼓を持ってないらしいんです。今のエイサーはほとんど太鼓がある。

 そうなんですね。つまり、今、沖縄で聴かれているエイサーは、ほとんどは伝統的な立場からすると邪道なわけですね。

 そうなったら、俺が取るべきスタンスは、「いいぞもっとやれ!」なんですよ。

楽 タイのモーラムやルークトゥンは、伝統をぶっ壊しまくってるから面白いわけですからね。タイの理屈で言えばそうなる。

 タイの理屈で考えると、創作エイサーももっとバンド入れたりDJ入れたりした方が面白い。

 カオスな方が面白い。

 そうそう。ただ太鼓を打つところが一緒だったり、ステップの形が一緒だったり、そういうところだけを担保にして、どんどんむちゃくちゃなことをやっているのを応援する側であるはず。頭ではそういう結論が先月出たんですけど、まだ全然気持ちはついていかない(笑)。 

Listen! ラムヤイ・ハイトーンカム/Lamyai Haithongkham/ลำไย ไหทองคำ

1998年生まれの若手ルーク・トゥン歌手。セクシーな衣装と激しいダンスが売りの現代のルークトゥン。

817さんの、沖縄に対するフィール

 やっぱり817さんの中に、沖縄に対する思いがすごくあるんでしょうね。

 そうそうそう。

 私個人は、あんまりルーツっぽい気持ちって醸成されてなくて。むしろ偽物がいいと思っちゃう。90年初頭ぐらいに、世界的に「ワールドミュージック」(※9)みたいなジャンルが世界的に盛り上がった時期があって。その頃はやっていたワールドミュージックを聴いていくと、どの国の音楽も伝統的なものよりロックやクラブミュージックとかと混ぜたような、ある意味偽物の音楽の方が面白いんですよね。ワールドミュージックって呼ばれていたものを冷静に聴くと、民族音楽にクラブミュージックみたいなものを足したものだと思って、そのジャンルが好きで。中村とうようさん(※10)が言ってたんですけど、ポップが生まれる瞬間は、「民族的なものが、外来のものとぶつかったときに生まれる」って言ってて。ああそうだなと思ったんですよ。今の二つの話だと、現代の楽器や音楽技法を使ったタイのルークトゥンやモーラムがいいって気持ちの方がよくわかるというか、偽物であるほどポップだなって。そして私はポップが好き。偽物なら偽物なほど安心する。

(※9)西洋、もっと言うと、米英から見た他国の音楽すべてがワールドミュージック足りえるが、民族的な要素が色濃く反映されてる反面、従来の民族音楽ではなく、クラブミュージックやロック、ポップスの要素を取り入れた音楽がこの定義で呼ばれた。

(※9)日本の音楽評論家。『ミュージックマガジン』の編集長。この言葉は『大衆音楽の真実』他、あらゆる本で語っています。

 わかります。伝統音楽が商品化するんですよ。それがポップだと思うんですよ。ポピュラーになるということなんで。その地域の中で共有財産だった伝統音楽が、外的要因によって商品化した時にポップになるっていうのは、単に良い悪いというよりは、その交流があってこそそれが生まれるので。ただそれが内発的なものなのか、文化盗用は言い過ぎだと思うけど、サンプリングされたものなのかっていうことに関しては結構ナーバスになってます。

 それはやっぱり自分が沖縄の民族を代表してるからってことですかね?

 どうだろうな。わからない。まだ「抑圧されてる」という意識が自分の中にあるんだと思います。沖縄の人として、タイのイサーンの人たちにシンパシーを感じていて。その国の中で文化的にマイノリティが持っている文化を、より強い立場の人がちょんちょんとやって、うまいこと商売することに関して危機感があるんだと思います。

 なるほど。沖縄で言えば、アメリカと日本に奪われているからって気持ちがあるわけですか?

8 ・・・っていうのが、やっぱり叩き込まれていて。俺の妄想は、沖縄が中国に乗っ取られる、中国人ばかりになるという危機感を覚えるんですけど、なったらなったで、みんなでニーハオっていうだけなんです。

 琉球のチャンプルー文化というか、沖縄にはもともと異文化との交流を受け入れる土壌がありますよね。

 異文化が来ても、それは立ち回りをすればいいんです。ただ、伝統文化が変わってしまうことにはナーバスで。国際通りのエイサー会があったんですけど、中華ポップを作ってるエイサー団体がいて、女子十二楽坊で踊っているチームがいたんですけど、 複雑な話だと思って頭を抱えています。どう読んでいいか分からない。 単にオリエンタルで派手な曲を、意味を考えずに雑にやろうとしてたどり着いただけだろうとは思ってるんですよ。 ただ、そこに秘める政治的な意味ってやばくて。それ選曲したのって、超~~~西洋目線でしか、そういう選択にならなくない? と思ってて。ある創作団体はつり目(※10)メイクしてるんですよ。

 あー、やばいっすね。

 ちょっと自覚的にならないと、さすがにそれはまずいっていう。

(※10)つり目はアジア人(特に中国人だが日本人も含む)に対する差別的なニュアンスを含みます。国際人を自称するなら大事なことなのでみなさん覚えておきましょう。

 本人はすごいピュアな心でやってるんでしょうけどね。

 そうそう、単にかっこいいみたいな。でも、その時のかっこよさの主体って、超西洋的な目線だし、非常に暴力的だと思います。ただ、それを受け入れちゃっていることで、 やっぱり創作エイサー団体に対する批評の目が届いてないんだなって。

 そう言えば話は変わりますけど、ちょうど1ヶ月ぐらい前、楽園の地図でお笑い・コメディの話をしたんですよ。まさに、面白さと倫理観みたいなテーマになって。その話と似てるなと思いました。そうやって深く意味を考えず、文化を交配させていく作業は面白いんですよね。客観的に見ると女子十二楽坊でエイサーをやるのってすごく面白いし、私が817さんに送った、PSYのカンナムスタイルをモーラムにするやつとか、ああいうのって面白いんですよね。けど、当事者から見るとそこにいろいろ思うものは無視されている。私は個人的には、文化的なバックボーンも希薄だし、あまり搾取されてる感覚がなくて。

 お笑いで言えば、ある特定の人にとっての「笑えなさ」みたいなことに関して、敏感でいないとなと思っているだけです。 ただ、面白いものの爆発力は、ある種誰かを踏んづけることによってしか生まれない跳躍力ってあるので。

 そこも否定できないですよね。タイポップの話に戻すと、自分たちはタイ人でもイサーン人でもないからこそ、楽しめるモーラムやルークトゥンの良さがあるわけですよね。

 あるある。

 部外者の目線というか。

 なぜ俺がモーラムやルークトゥンにフィールするかっていうのを考えるんですけど、日本だと郊外の景色、 海や山に関する歌、あとは演歌で慣れ親しんだペンタトニックスケール(※11)、音階ですね。 ペンタトニックスケールが、 モーラム・ルークトゥンとフィールする、自分の内的要素としてある。

 ヨナ抜き(※11)ってやつですか? 

 そうそう。

(※11)ペンタトニックスケール、ヨナ抜き。ドレミファソラシの7音のうち二つ(長音ならファとシ)がない音階。日本の演歌、タイのモーラムやルークトゥン、インドネシアのガムランなどもその音階と言われている。

沖縄にいると、 よりモーラム、ルークトゥンとフィールできる要素が増えると思っていて。 沖縄の人にタイの音楽を説明する方が、 俺は手っ取り早いんですよ。要はりんけんバンドみたいなのが200組くらいで、毎週リリースしてるって。本土の人に説明するには、『マツケンサンバ』みたいなショーアップされた楽団がいるって。

 『マツケンサンバ』って、あれほぼルークトゥンですよね(笑)。

Listen! マツケンサンバ!

伝統的なタイのモーラムやルークトゥンを聴いたり動画を見たりした後にこれを見ると、この大人数で踊るダンスの感じや、チープなテロップ、意味やセンスを無効化する感じ。これこそ日本のルークトゥンだなと思ってしまう。どういう意図でこの曲が仕上がったのかは謎に包まれてる。。

8 そうそうそうそう。 歌詞もそうなんですよ。 あれって神目線の歌だから、 私があなたとどうこうじゃなくて、 情景をひたすら歌ってるだけなんで、 すごいドライでめっちゃ好きなんですけど。

楽 あとサンバとか言いつつ、サンバとまったく違うっていう(笑)。

 まったく違う(笑)。そんな感じとかはもう超ルークトゥンっぽいですよ。 私はレディ・ガガになりたいとか歌ってるのに、 レディ・ガガ解釈がすごすぎるみたいな(下のเลดี้ปลาร้า - สาวมาด เมกะแด๊นซ์)。沖縄ポップスに至っては、 それをもっとやってるんで。

Listen! เลดี้ปลาร้า/สาวมาด เมกะแด๊นซ์(Saomat Megadance)

 そうなんですね。全然沖縄ポップス勉強してないかも。 面白いですね。

 『ダイナミック琉球』っていうのが今、『ミルクムナリ』の次に一番創作エイサーで 使われてる音楽なんですけど、 MVの絵がほぼルークトゥンなんで。 メロディーもすごい近いし。

Listen! ダイナミック琉球/成底ゆう子

沖縄にいるとこの曲をよく聴く。スーパーとかイオンでも流れてる。確かにこれもルークトゥンぽい。

 確かに沖縄とタイは不思議な共通がありますよね。東南アジアと沖縄の共通点みたいなのって、なにか感じます?」

8 言葉じゃないですかね。「チャンプルー」がインドネシア語(campur)だったり、 ブルーシールのアイスにウベって味があるんですけど、ウベ(Ube)ってタガログ語(フィリピンの言葉)だし。気候もそうだし、 食い物もそうだし。

 音楽も、ペンタトニックが一緒なんですかね。

8 三線のニシキヘビの皮がタイから来てたりとか。 なので、タイというよりアユタヤとの交流の中で、文化的な美術と音楽の交流が何かあったんじゃないかなっていう気はしています。ただそれは、今流行ってる民謡って戦後作られた民謡なので、アユタヤ王朝時代とは多分歴史が違うし、そもそも俺がタイポップって呼んでるルーク・トゥンやモーラムってアユタヤじゃなくてラオスの音楽なので。

 タイのイサーン地方は、元々ラオス領だったから、ラーオがたくさんいたんですよね。だからラオスにもタイにもルークトゥンやモーラムがある。

8 タイと沖縄が近似してるのは、 俺はたまたまだとは思ってるけど。ただ向こうも、「ピン」って言われてる楽器は三弦だったりとか、スケールが近かったりとか。 なんか、気候、風土、文化的な近さっていうのは不思議っすよね。台湾飛び越して。

 確かに。米食うからかな。

 ゴーヤも食うしね。

 バリ島に行った時に、私はコーヒーが好きなんでどこでもカフェに行くんですけど、『ライスフィールドビューカフェ』って書いてあって。単に田んぼが広がってるだけなんですけど(笑)。田んぼを見ながらコーヒー飲んだら、めちゃくちゃ落ち着くんですよ。この田んぼは日本の田園とつながってると思って。バリ島は段段畑だし。その感じがすごく日本の原風景に近い感じがして。

 そうそう。だから農耕民族っぽい近さはあって。でも狩猟民族まで戻れば、 多分もっと世界中とフィールできるはずなんですよね。だから縄文まで、農耕よりも前に戻れば、 多分同じような音楽を作ってるはずなんで。 

 817さんの中には両方いて。 研究者的な、すごい俯瞰で見てる視点と、

 超享楽的な消費者目線。 ヴィレヴァンでCD買うの楽しいみたいな。

 冷静に世界中の音楽を見てる人と、沖縄のアイデンティティと音楽が分かち難く結びついてる自分もいて。

 両面ありますね。 でも仲間のDJや音楽家はみんなそうかも。だからジャンルが違っても話をするし、パーティーもできるし。音楽に対して敬虔でありたいからリスペクトを欠かさないようにしたいっていう気持ちがあると、どんなジャンルでも話が分かる。そのジャンルの原理主義になっちゃうと、他の音楽に対しての研究心とか、リスペクトみたいなものがなくて成立しちゃうんで。 原理主義だから。

 私はライターで、かつルーツ的なものが欠落してるから、つい批評家っぽい見方をしちゃう。

 分かる分かる分かる。分類するっていうことの危うさはありますよね。それでもアウトプットしないといけないから。

 分類することで面白いっていうか、説明できることってかなりあるから使っちゃいますよね。今日は非常に勉強になる回でした。私の知らない扉がたくさん開きました!

 またタイポップイベントでお会いしましょう!

(おわり)

817さん告知!

DJ 817のイベント出演予定

2025/1/11(土)  22:00開始 『THAI COBRA DEATH MATCH!』 会場:sliver hive (沖縄県沖縄市中央1丁目26−12) https://instagram.com/barsliverhive/ 入場料:1,500円(別途ワンドリンクオーダー) 出演:DJ 817/HASSI(from福岡)/SENA/Eiji Harrison “コザゲート通り側でK-POPやタイポップを聞いてワイワイするパーティーに、福岡のタイ音楽特化パーティー『ソムタムワナカーン』のDJ HASSIを迎えてそのお店の周辺10mくらいを東南アジアの路上気分にする夜です”

2025/1/12(日)  19:00開始 『新春タイポップ大会』 会場:BARよなき 沖縄県那覇市前島2-13-19 https://instagram.com/yonaharayonaki/ 入場料:1,500円(別途ワンドリンクオーダー) 出演:DJ 817/HASSI(from福岡) “DJ&トークでタイポップまみれになる日です。福岡のタイ音楽特化パーティー『ソムタムワナカーン』のDJ HASSIを迎えて、DJ817がタイポップに関するプレゼン4連発で皆さんをタイ音楽のあったかい世界に誘います。座って過ごせます”

2025/2/23(日) 『NEW YEAR ROMANTIC LIVE vol.2』 会場:BARよなき 沖縄県那覇市前島2-13-19 時間:開場&開演 19:00 入場料:前売り2500円 / 当日3000円(ドリンク代別) 出演:everfor(台湾) / tea(沖縄) DJ : DJ 817 / indie music party " STEPOUT " DJ crew 主催:大浪漫商店/ 大浪漫唱片 “台湾の気鋭バンドeverforの初めての沖縄公演に、沖縄のロックンロールバンドteaの4年以上ぶりのライブで共演します。那覇のインディーロックパーティー" STEPOUT “の面々と沖縄No1(暫定)タイポップDJが一緒に盛り上がります”

告知

楽園の地図はnoteもやってるし(中国語のポップス、C-POPに関する歴史的考察を連載中)、Instagramも始めてるよ。流行に合わせてなれないストーリーもやってるよ(台湾旅行についてリアルタイムで更新中)。今年はインスタがんばるよ。みてね。

おわりに

船長「はい、今月のお小遣い。6,000ニュー台湾ドル」
助手「やったー! 6,000台湾元か」
船長「6,000台湾圓(円)」
助手「台湾ってさ、ドルなのか元なのか円なのかわからないよね」
船長「ほんとだね。結局どれが正式名称なんだろ」
助手「お札には圓って書いてるよ。だから、台湾円って翻訳しても間違いじゃないよね。圓って円の旧字だから」
船長「Wikipediaによると、円(日本)、元(中国)、ウォン(韓国)、ついでにパタカ(マカオ)も語源は圓(Yuen)らしいよ」
助手「勉強になるな。でもじゃあなんで、ニュー台湾ドルって言うんだよ」
船長「うーん。台湾政府がそう定めたかららしい」
助手「そんなあ。日本ドルって言ってるようなものじゃないか。納得いかないな」
船長「圓なのかドルなのかはっきりしてほしいよね」
助手「あれだ、中国人ってよく自分の名前にイングリッシュネームつけるけど、あれじゃないですか?正式名称は台湾圓だけど、イングリッシュネームでニュー台湾ドル」
船長「テレサ・テンのTeresa(英語名で、本名ではない)とか、ヴィヴィアン・スーのVivian(同)みたいな?」
助手「古いな。でもまあ、そんな感じ」
船長「ちょっと待って、中国語でドルは美元、ユーロは欧元、日本円は日元らしいよ」
助手「あ、つまり、中国人はお金の単位=元って略すわけだ。じゃあしょうがいないか。じゃあ、タイバーツは泰元?」
船長「それは泰铢(泰銖)」
助手「なんでだよ!」

(つづく)

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