楽園の地図82号 パッキパキの北京

北京/高雄/リオデジャネイロ/マニラ
船長と助手 2025.03.21
誰でも
Tiananmen with many many tourist, Beijing, China

Tiananmen with many many tourist, Beijing, China

もくじ

はじめに(住宅ローン万歳!)
今週の楽園 過剰LEDと長城。パッキパキ北京(北京/中国)

今週のオアシス 季帆珈琲(高雄/台湾) 
今週楽園に行けない人のために リオ、アイラブユー(リオデジャネイロ/ブラジル)
今週楽園で聴きたい音楽  Pano/Zack Tabudlo(マニラ/フィリピン)
おわりに

はじめに

住宅ローン万歳!

近況報告。まだ東京にいます。新しい住居である新大久保の暮らしも徐々に慣れてきました。今回の東京の新居は思い切って住宅ローンを組んで購入しました。

よくビジネス誌なんかを観ると、持ち家か賃貸か、みたいな論争を見かけます。好きにすればいいのにと私は思いますが、一応私はファイナンシャルプランナー(3級)でもあるので、その立場から話します。普通に考えると、自宅は賃貸でいいように思います。将来のことなんて今や誰にもわからないし、そんな時に不動産を持っているとどうしても動きが悪くなってしまいます。ただ、日本には住宅ローンという素晴らしい制度がありまして、これは金銭的にたいして将来性もなさそうな個人(つまり私)にも数千万円単位でお金を貸してくれるありがたい制度でして、だったらありがたく借りておこうと思ったからです。

逆に今まで購入しなかった理由としては、いつか海外に住むという選択肢がどこかにいつもあったからです。実は今もあります。ですが、私は「日本語でテキストを書く仕事を稼業とする」と去年覚悟しまして、「だったら日本の出版社の77%が集中している東京(売り上げベースでいえば9割ぐらいかも)はこれからも拠点であり続けるだろう」と思い至ったからです。私が海外で暮らすようになっても、日本語でテキストを書き続ける限り、東京の出版社やメディアとやりとりすることになり、そのため必ず海外に居住しても東京の土地を踏む機会はあると思ったからです。賃貸にしなかったのは、仮に東京と海外のとある都市の二拠点生活を選んだ時に、賃貸の方がよりもったいないと感じて、二拠点生活に二の足を踏むかもしれないと考えたからです。私の海外計画と都内の自宅購入はかくありまして(私の中では)矛盾していません。

新居の新大久保は、なんと言っても山手線で、どこに行くのにも便利です。私は都内では長らく城南・城西(つまりずっと世田谷とか目黒とか渋谷とか)に住んでいましたが、今は利便性が高くて国際色豊かな新宿区の方がずっとクールだと感じてます。今の東京は白人観光客も増えてますます国際都市って感じですね。いつか新大久保で海外旅行という特集も(書くことがなくなったら)書こうと思います。

でも今日は取り急ぎ北京よりお届けします。では、パッキパキの北京へ(inspired by Risa Wataya)!!

今週の楽園 過剰LEDと長城。北京

上の写真、合成画像じゃないですよ。北京のとあるモールです。真ん中の吹き抜けの天井にこれでもかとどでかいLED画面が吊り下げられています。何が広告されてるのかしばらく見ていたんですが、各テナントの営業時間とか、連絡先が告知されてました。そんなありふれた告知を、この大きさで、天井から吊り下げてまでやること?笑。相変わらず中国という国は私たちの興味を掴んで話ません。

見た目はそれほど日本人と変わらないけど、お国が変わればこんなに価値観が変わるのか、というのが中国人。私が中国に行くたびに思うのは、とにかく派手だということです。街中には容赦なくLED、電光があって、どこに行くのも落ち着きません。でも、日本でいえば私の出身地、大阪も派手なんですよね。有名なグリコの看板も夜に行ってみるとわかりますが、なかなかの光量です。ですが、そんな大阪よりも数倍も光量を感じるのが中国です。私の印象では、台北より、上海より北京は光量が多く、今は落ち着いた香港に変わって、北京はある種、光量No.1都市のギンギラシティかもしれません。

中国人に対して日本人が主に感じる不快感の一つに「声が大きい」が挙げられると思います。同じ中華系でも台湾人や、あるいは東南アジアでもタイ人などは静寂を好むのですが、とにかく大陸の中国人は確かに声が大きい。ただ、北京や上海に行って、これら中国人を観察していると、家族でもグループでも声が大きい人がいて、そして中国人は決まって大人数で行動するので(家族親類もなぜかやたら多い)、だんだん行動しているうちに声が大きな人に声量に合ってきて、全体的にヴォリュームが大きくなっていくようです。水は低きに流れ、良貨は悪貨に駆逐され、声はうるさい人に合わせられます。そうしないと発言が埋没してしまいますからね。そしてそれは、LEDや街中の看板の目立ち具合にも言えると思っていて、周りが主張の強い看板を出すのであれば、負けじとサインを強くしないと埋没してしまうのかもしれません。そうしてしまいには天井にどでかいLED画面を吊り下げるまでエスカレーションしてしまうのです。

そんなことを考えるに、ここ世贸天阶はぴったりな場所です。そうだ。言い遅れましたが、今回スポットの名称は中国の簡体字で書きます。よく日本のガイドブックをみるとこの場所も日本の漢字で「世貿天階」と記されていますが、郷に入りては郷に従え。だって、ガイドブックをタクシーに見せても字が違うと理解してくれません。必要なときは翻訳アプリに漢字を入れて中国語に翻訳して、とできますが・・・あ、そうだ、中国本土はGoogle翻訳使えないんだった。ご存知の方も多いと思いますが、中国本土ではGoogle、Facebook、X、LINEなどおよそメジャーなサービスは、Great Fire Wall(金盾)という中国政府が作った屈強なインターネットの壁によりアクセスできません。というわけでやはり簡体字の形を覚える癖をつけた方が楽です。

北京は観光都市である

さてあまりイメージがないかもしれませんが、北京は世界有数の観光都市です。TRAVELLERによると、北京が生み出す富のうち、7.8%が観光によって生み出されていて、これは世界の都市で13番目に大きい数字です。アジアに限定すれば、マカオ(29.3%)、ドバイ(10.1%)、バンコク(10.0%)の次に大きな数字です。北京がそもそも大都市で、他に産業が多数あることを考えると、かなりおおきな数字だと思います。WTTCという調査機関の報告書によると、コロナ直前の2019年で、北京は年間に340億ドル稼いでいて(PDF、リンク先9ページ参考)、これは世界の都市の中ではパリに次いで2番目に大きな数字です。つまり、北京はパリにつぐ観光都市である、と言えそうです。西の観光の都がパリ、東の観光の都が北京、つまりそういうこと。

では、北京に来た観光客は何をするんでしょうか。まずは誰でも冒頭の写真にあるように天安門広場、じゃなかった、天安门广场に行きます(簡体字)。天安門に向かう人の群れは、フジロックのフェス会場に向かう人の流れに似てました。進行方向に向けて人の群れができていて、入り口で荷物チェックがあることもそっくり。行ったことないですが、メッカもこんな感じなのでしょう。

その次はやはり、万里の長城ではないでしょうか。おそらくツーリストにとって最も行きやすいのは八达岭长城(八達嶺長城)だと思います。地下鉄や路線バスでは行くことが難しいので、KkdayとかKlookとかあるいはTrip.comあたりでバス付きのツアーに申し込むのが早いと思います。私は各都市のいわゆるメジャー観光地にあまり感動しないタイプなのですが、そんな私でも万里の長城は死ぬまでに一度は見れてよかったなと思える場所です。いやー、行ってよかった見てよかった。

有名な話ですが、万里の長城は紀元前5世紀からすでに建設が始まっていて、紀元前にはすでに朝鮮半島のあたりまで含め大枠が完成していました。宇宙船から地球をのぞいたときに、唯一目視で確認できる建造物が万里の長城だと言われていますが、それは間違いです。でも、そんな噂が広まるぐらいこの建物は壮大だということかと思います。そんな建物が紀元前には完成してたなんて、なんかすごいですよね。私が驚いたのは、長城が山の尾根沿いとか、川沿いとか、あるいは直線ではなく、まったく脈略ない(ように見える)場所にまったく脈略ない(ように見える)曲線で建っていたことです。

そもそも壁で外的を防ぐという発想が中国らしいと言えます。強敵がいるときに、自軍を強くするわけでも、相手を懐柔するでもなく、とにかく壁を立てて相手を来れなくしてしまうという発想が。それこそインターネットの閲覧禁止処置にも似てると言いますか。中国本土は紀元前から巨大なゲイテッドコミュニティなんだなと思いました。

長城は、山の中を走る高速道路を彷彿とさせます。でこぼこした山道を突っ走る高速道路。そんな山道をかなりの長距離を歩くことができます。いい運動になります。これが台湾やら香港やら日本にあれば側道にコーヒースタンドやジュースバーでも作ってドリンクを売ったり、韓国にあったらプリクラまでできそうですが、ここは共産主義中国。そんな世俗的な文化はありません。代わりに、勝手に靴を磨いてくれるオヤジはたまに見かけます。あとでお金を請求されるんですけどね。。。

おなかが空いたので市内に戻りましょう。

食の都、北京

20代の頃、中国出身のとあるタレントさんにインタビューをしました。その時のテーマは中華料理についてだったのですが、印象に残ったのは、「中国には中華料理なんて概念はない」とのことです。あくまでそのタレントさんいわく。つまり、中国には四川料理とか広東料理とか、おおむね中国の省に匹敵する数の料理があり、我々が中華料理だと呼んでいるのは、その総称を便宜的に名付けたもののようです。確かに中国は10億人を超える人が住んでいて、それはヨーロッパ全体の人口よりも多いです。それらを中華とくくるのは、イタリア料理もフランス料理もスペイン料理も等しく洋食である、というくくりぐらい乱暴なものかもしれません。

そして、古来から中国の首都である北京には、さまざまな地域の料理が集まってきます。特にモンゴル系やウイグル系、回族(主に漢語を母語とするイスラム教徒)系など、マイノリティの料理屋さんが盛んなのでぜひ挑戦してみてほしいなと思います。

さて、私が北京で一番美味しいと思っているレストランは天津百饺园です。そう、お待ちかね、餃子です。中華料理における餃子とは基本的には水餃子を指すのですが(日本でおなじみの焼き餃子ではない)、ここではさまざまな味の小さめの餃子を多数楽しめます。ぜひ、お腹をすかして、さまざまな種類の餃子を味わってください。

庶民的なお店なので、商品名がプリントされた紙とともに提供される。見た目は悪いが、どの味かわからなくなることがないため、合理的。みんなこのプリントをどかさずに食べてました。

庶民的なお店なので、商品名がプリントされた紙とともに提供される。見た目は悪いが、どの味かわからなくなることがないため、合理的。みんなこのプリントをどかさずに食べてました。

メジャーな繁華街、王府井と楽園の地図的おすすめの南锣鼓巷、五道营胡同

おなかもいっぱいになったので繁華街をぷらぷらしましょうか。北京の昔ながらの繁華街といえばなんといっても王府井なんですが、ここは浅草みたいな場所で、巨大な門があって、その下で屋台のようなフードコートのような絶妙な場所で飲み食いができたりして、お土産物屋もあって、浅草の飲み屋街、あるいは台湾の夜市を彷彿とさせます。

王府井の青空フードコート

王府井の青空フードコート

台湾の夜市と似てるのに何か違う。ああ、台湾の夜市に行きたい、という変な郷愁を感じなくもないですが、いやでも、北京は北京の良さがあります。まず、多くの人が座っていて、確実に座って食べることができる。そのため少し落ち着いた印象です。私のようなADHDにはちょっと物足りないかもしれないですが、通常の感性の人であればご飯の時ぐらいゆっくりしたいものでしょう。

もし北京で2泊3日とか、3泊4日で過ごすなら、一回は来たい、というか自然と来る場所でしょう。ですが、私の夜のおすすめはここではありません。银锭桥という、后海という都心にある湖の麓にかかる橋の近辺です。死ぬほど安い地下鉄で、あるいは英語の一切通じない(Hotel, Station, near すら通じない。そしてGoogle翻訳はBANされてる!)タクシーに乗って移動しましょう

このあたりは夜遅くまでやってるレストラン、バー、カフェが多く、一方で近所の人がお散歩したりマラソンしたり公園で気功をやってるおっちゃんがいたりと生活感のある雑多なエリアです。東京で言えば、井の頭公園のような場所と言えるかも。

夜の后海周辺。昔のiPhoneで夜に撮ったので画質悪くてごめんなさい。

夜の后海周辺。昔のiPhoneで夜に撮ったので画質悪くてごめんなさい。

このように湖のほとりに落ち着いたお店が並んでいて、喧騒の北京においても少しだけ静かな場所です。それにこのあたりは胡同(フートン)と呼ばれる、中国、特に北京によく見られる伝統の独特の路地を見学できます。胡同は北京独特の住宅地で、首都を北京に移した際にあえて道幅の狭い住宅地をたくさん作ったのが起源です。たいてい道がうねうねしていて、その上で道端で洗濯物を干すおばちゃんや、路肩で将棋をさすおっちゃんがいたりするので非常に通行が困難です。でも、そうやって通り過ぎてる間に人情が生まれる不思議な空間。どこを撮っても民家なので撮影は難しかったのですが、北京に行くならぜひ体験してもらいたいです。おすすめはガイドに載ってない胡同です。観光地化された胡同からは本質は見えてきません。いやー、今日もたっぷり観光しましたね。

深夜のクラブ活動

ああ、そうだ。最後に。真の北京の勢いを味わいたければクラブは外せません。大音量で音が鳴ってるクラブです。日本と違ってちゃらちゃらした若者ばかりというわけでもなく、なぜかおじさんもおばさんも、老若男女が騒いでますので、臆せず行ってみてください。クラブは入れ替わりが激しいのですが、たいていは工人体育场という巨大な体育館の近場に集まっています。Mix ClubとかVicsなんかが私が北京に滞在した時期には流行ってました。

平日からどこも人でいっぱい

平日からどこも人でいっぱい

人でいっぱい。ライブもやってる。が、誰が誰やら。外国人も多い。

人でいっぱい。ライブもやってる。が、誰が誰やら。外国人も多い。

特にコミュニケーションしなくても、ただ滞在して、目の前で怒ってることを見るだけで、そこに北京が感じられると思います。うーん、これが、ビッカビカの、ギラギラの、パッキパキの北京。とにかく観光してると疲れる街なので帰ったらよく眠れます。不眠症にもおすすめの街ですよ。

今週のオアシス 季帆珈琲(高雄/台湾)

はい! 今度は海峡を渡って台湾の高雄へ。高雄は台湾第2の都市ですが、なんとなく首都の台北が戦後に海を越えてきたいわゆる外省人と呼ばれる人たちが作った街、あるいは日本支配下中に作られた街というニュアンスがあれば、高雄は本省人という先祖からここに住む人が作った街、という雰囲気があります。港湾地区なんかはかなり綺麗に整備されていて、首都台北よりもある意味先進的な街の一つと言えるかもしれません。

日本とも近しい台湾に行くのであれば、ぜひとも地元民と触れ合っていただきたいものです。でも、短い観光期間で、いきなりツーリストが地元民とおしゃべりすることなんてできないよ。大丈夫です。季帆珈琲があります。不定期営業のようなのでインターネットで日時を確認していただいて、雑居ビルの中にあって一瞬ちょっと怯みますが、気にせず入ってみてください。中は下の写真のようなカフェですから。

なんの変哲もないカフェ。読書や勉強、ノマドにぴったり。

なんの変哲もないカフェ。読書や勉強、ノマドにぴったり。

実はこのカフェの正体は、地元台湾人のための日本語教室と、日本への留学支援の場所です。夜はたいてい授業をしていることが多いんですが、日によってはディスカッションの日もありますので、事前にコーヒータイムの時間に来て店長や責任者に授業に参加したい旨を伝えれば、あなたも飛び入りで日本語講師ができます。台湾の人はただでさえ人懐っこい上に、日本語を学びたい、あるいは日本に留学したい、という若者が多いので、日本から来たゲストがいたら興味津々でいろいろ聞いてくれるかもしれません。

もちろん、地元の人との交流を楽しむだけでなく、あくまでゲスト講師として、一生懸命日本語をレクチャーすることをお忘れなく! いつもの観光を、あなただけのちょっと変わったものにしませんか?

今週楽園に行けない人のために リオ、アイラブユー(リオデジャネイロ/ブラジル)

当楽園の地図の映画紹介のコーナーは、観光に行った気になれる映画、という切り口で紹介してまいりました。その点、今回紹介する「リオ、アイブユー」ほど、観光に行った気分になれる映画はないのではないでしょうか? これは複数の監督による短編集です。一本の映画でなんと11本ものオムニバスが楽しめちゃうお得な作品です。たぶん気に入る作品となんだかよくわからない作品があると思いますが、通しで見るとリオデジャネイロを観光した気分にはなれます。ストーリーは玉石混合ですが、風景はどれも一級品。リオが素晴らしい街だというのはビンビン伝わってきます。

私的には、大好きな映画監督が2人登場するところがハイライトでして、一人はイタリアの映画監督、パオロ・ソレンティーノ(彼の『グランドフィナーレ』っていう安楽死をテーマにした映画は最高。この映画を見て、(いつかは)死ぬのも悪くないなと死生感が揺らぐ作品でした。いつかこのコーナーでも取り上げます!)、そしてリオデジャネイロを知り尽くしているであろう、大好きなブラジルの映画監督、フェルナンド・メイレレスが参加してるのが胸熱。彼の「シティ・オブ・ゴッド」は同じブラジル・リオデジャネイロのファベーラ(貧民が多く住む、山に近いエリア)を舞台にしていて、本物の暴力の恐怖に溢れるヒリヒリした映画ですが、ファベーラはリオの一面ではあるけどもきっとリオ観光局はそこを見てほしくはない場所でしょう。治安が悪いのでファベーラは観光も難しいエリアです。一方で、この映画に出てくるリオデジャネイロは美しいイパネマの海をはじめ、観光でも行ける場所が盛り沢山。地球の裏側リオデジャネイロは行くだけでかなり骨が折れる場所の上に、観光にはそれなりの危険が伴いますが、映画なら自宅にいながらにして2時間だけリオにひとっ飛び。是非とも観光気分に浸ってください!!

今週楽園で聴きたい音楽  Pano/Zack Tabudlo(マニラ/フィリピン)

聴いていただいているのは、フィリピンのシンガーソングライター、Zack Tabudloによる名曲、Panoです。Panoはタガログ語で疑問系の前につける単語で、英語で言えばHowのような意味です。国際色豊かな楽園の地図読者でも、さすがにタガログ語を理解できる方は少ないと思いますので、和訳したブロガーがいるので歌詞を貼っておきます。お、こっちの訳もいいな

現在、noteでC-POPという中国語を主言語とする地域(中国、台湾、香港)の音楽に関する記事を長期連載でまとめていますが(C-POPの歴史)、その次に東南アジアの音楽もまとめたいと思い、今調査中です。特にインドネシア、タイには面白い音楽があって、ファンもいます。タイ音楽については817さんというDJと対談しました(楽園の地図71号72号)。タイ音楽について面白い考察が行われてますので、タイ好きも音楽好きもぜひ読んでください。さて、今や国民的な存在となった韓国のK-POP、実は微妙にファンの多い中華圏のC-POP、そして元バックパッカーなどを中心に根強いファンの多いタイ音楽(T-POP)に比べ、P-POP(Philippines Pops)はかなりマニアックです。私の他にフィリピン音楽を追ってる人など聞いたことがありません。でも、すごくいいんですよ。この曲とかめちゃくちゃ良くないですか。王道のシンガーソングライターものですけど、おもちゃ箱をひっくり返したみたいな忙しい音楽で溢れるJ-POPや、決め決めのダンスに似合う曲ばかりのK-POPにはない、ストレートな曲です。魂に沁みます。

フィリピンは多様な国家ですが、少し詳しい人であれば、英語とフィリピン語が公用語であると知っているかもしれません。しかし、人工的な言語である「フィリピン語」を使う人は実際にはあまりおらず、マニラ近郊の人は地元民との日常会話としてはフィリピン語の元となったタガログ語を話します(まあ、標準語と江戸弁みたいな違いでしょうかね)。しかしこれはあくまでマニラ近郊の地域の一部の話で、各地方にはさまざまな数の方言があり(参考リンク)、はっきりといえば同じフィリピン人同士であったとしても生まれた地域が違えば意思の疎通は困難です。タガログ語を話すタガログ族がやはり最も人口が多く2500万人を上回りますが、第2の都市にして主要観光地であるセブや、第3の都市であるダバオを含む南部の地域はビサヤ族も人口が多く、彼らが話すセブアノ語も非常にポピュラーな言語です。こうしてさまざまな民族が暮らすフィリピンには共通言語がありません。マニラ政府はタガログ語を少し改良したフィリピン語を作りはしましたが公用文章以外では使われず、どうせ他言語を覚えるなら英語のほうがいいに決まってるじゃん!って感じで英語を話す人が非常に多いです。この辺の背景はインドも同様です。この島々をかつて統治したアメリカは、多様な言語の存在するこの地域の人に英語を教え、それが違う地域の人が意思疎通をはかるための共通語になりました。今、フィリピンといえば安価で英語を学習できる語学学校のある国として有名ですが、それはこのような背景があったわけです。語学留学の地としてはセブが有名ですが、首都(タガログ語=フィリピン語)ではなくセブアノ語の地域が多いのも、治安がいい以外にも彼らは英語を覚える必要があった、という背景があるかもしれません。

あ、今日は曲の話でしたね。ZackはBinibini、女性シンガーのSharlene San PedroとコラボしたPusong Naliligawなどいい曲たくさん。日常のBGMにちょうどいいんですよね。これを期に、あなたもP-POPデビュー、いかがでしょう!

おわりに

助手「ねえねえ船長。進行方向10時の方向に虹がかかってますよ! 見てください!」
船長「きれいだね」
助手「今日のカレーライス、いつものレトルトのやつですけど、バターを入れたんですよ。とても美味しかったですね」
船長「おいしかったね」
助手「この前体重計に乗ったら、3kg太っちゃいました。痩せないとな」
船長「痩せないとね」
助手「船長、なんか、変です」
船長「え?」
助手「いつもの船長ならもっとテンション高いはずです」
船長「あ、ああ。なんかちょっと、元気なくてさ」
助手「どうしたんですか。僕でよければ話を聞きますよ」
船長「いや別にいいんだよ」
助手「船長がこんなにテンション下がるのは、どうせフラれたんでしょ」
船長「(ギクッ)」
助手「ギクって声が聞こえてますよ。船長ってモテないよね笑笑」
船長「放っておけよ。このまま海に飛び込んで死のうかな」
助手「まあまあ。船長、僕でよかったら話してくださいよ」
船長「大恋愛の末に別れたんだよ」
助手「船に乗ってるのにどうやって恋愛するんですか?」
船長「メッセージを送り合ってたんだよ。昨日まで」
助手「お、おう。なんか、文通みたいなことしますね。LINEですか?」
船長「マッチングアプリ。ずっと懇意にしてた人がいるんだけど」
助手「マチアプかよ」
船長「今朝起きたら退会してた」
助手「それでそんなへこむ? 船長、そんなメンタルじゃ俗世間で生きていけないでしょ」
船長「だからこうやって、人里離れて航海してるんじゃないか」
助手「なるほどねえ。どんまいどんまい。人里離れててもWi-Fiある場所じゃ意味ないっすね。背中さすってあげましょう(背中をさすさす)」
船長「何それ? 背中さすられると気持ちいいんだけど」
助手「背中さすると心が落ち着くんですよ。友達が言ってたんですけど」
船長「えー、じゃあ俺も背中さすってあげる(背中をさすさす)」
助手「気持ちい〜(さすさすさすさす・・・)」

(つづく)

無料で「楽園の地図」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
第83号 バリ島、行くならウブドを目指せ!
誰でも
楽園の地図81号 人生を変えた6冊の本
誰でも
楽園の地図80号 私とアメリカ/私のアメリカ
誰でも
楽園の地図79号 クラクフ/ポーランドより愛を込めて
誰でも
楽園の地図78号 映画についてまったり語ろう!〜台湾映画編
誰でも
楽園の地図77号 ニューヨークで食い倒れよう!
読者限定
楽園の地図76号 「台湾日和」さんに聴く台湾デザインの真髄
読者限定
楽園の地図75号 ノマド民はマラッカを目指せ!